村人との約束

「何か私たちが残すことができないか?」

村人から歓迎を受ける
村人から歓迎を受ける

村人から歓迎を受ける

ごみについての説明をする野口健
ごみについての説明をする野口健

ごみについての説明をする野口健

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2006年、日本隊によるマナスル峰初登頂から50周年を記念して、野口健はマナスルの清掃登山を行いました。
この地で、野口は清掃登山の成功以上の、大きな成果をあげることができたのです。
それは、マナスルのふもとのサマガオンの人々との深い友情でした。
雪が多く、ネパールの中でも特に貧しいサマガオン。
村には産業もなく、厳しい環境のなか自給自足の生活をしています。それでも、村人は明るく人なつっこく、とても元気です。野口隊が、マナスルの清掃登山を成功させ、下山してくると、村のあちこちに手作りの日の丸を飾り、村を挙げてのお祝いをしてくれました。

「子どもたちの教育が問題です」

子どもたちも楽しそうにごみを運んでいる
子どもたちも楽しそうにごみを運んでいる

子どもたちも楽しそうにごみを運んでいる

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「日本人が私たちの神様(マナスル)を清掃してくれた!私たちも村の清掃をしよう!」 信仰深い村人にとって、マナスルは神の山だったのです。
翌日、サマガオンで、初めての清掃活動が行われました。初めは藁や木くずを集めるなど“ごみ”という概念さえ村人たちにはありませんでした。ごみとは何かといったレクチャーを行いながらの清掃活動でした。
「これからも清掃活動を続けて。また、ここに来るから。」
野口と村人たちとの約束でした。 このサマガオンに何か私たちが残すことができないか?
「今、村で困っていることは?」との、野口の問いに、村人は答えました。
「子どもたちの教育が問題です」と。
確かに村の生活水準も低く、食料などの援助も必要としています。しかし、子どもたちに教育を与え、自立させていくことが、村の将来を支えることになるのではないか・・・・
このような思いから、サマガオンの教育支援のために「マナスル基金」を設立しました。