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すてきな女性

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2001/11/25

すてきな女性

 

めちゃくちゃ面白い対談でした。これからも環境省の重いお尻をパンパン叩きにいきますのでよろしくお願いします。

すてきな女性に会った。その名は川口順子さん、環境省大臣だ。

 いつであったか、東京大学の学生から僕の事務所に、東大駒場学園祭での講演依頼をいただいたのだが、その前後のスケジュールがめまぐるしく詰まっていたので、お断りした。

その後、一週間程してからか、再び連絡を頂き
「川口環境省大臣が野口さんがいらっしゃるなら、対談を引き受けて頂けるとのことですが…」
と言う。川口大臣との討論会となれば話は別だ。どんなに忙しかろうとスケジュールをこじ開けてでも実現させるだけの魅力が充分にあった。後から分かったのだが川口大臣のほうにも
「野口さんとの対談はどうでしょうか。川口大臣がいらっしゃるのなら野口さんも来るといっています」
といったようなことを伝えたらしい。それでそれならばと、大臣もご多忙の中、参加されることとなったという。なんのことはない、東大生にうまいこと仕組まれたわけだが、でも魅力的な内容に久しぶりに気合が入った。

それにしても、東大とはなんて汚いところか。至るところにゴミが散らかっている。何故か靴であったり、しまいにはトイレが詰まった時に使うあのポンプであったり、とにかく至るものが落ちている。教室の壁も汚れはて、いるだけでジンマシンがでそうだった。川口大臣との対談の前に掃除したくなったよ~。

後で親父に電話して
「東大もたいしたことないね~。あれだけ汚すんだから、エリート意識もあったもんじゃないね。ケンブリッジは綺麗だったぞ!」
と嫌味を言ったら
「いやいや、東大は昔から汚いんだよ。だから、ろくな奴が世に出てこなかっただろ。俺がその代表例だ。ハハハッ」
と笑われた。

川口大臣とは以前に数回お会いしたことがあるが、今回のようにじっくりお話したのは初めて。いわゆる政治家政治家していなくて、バランス感覚のとれたすてきな女性だった。川口大臣の口調と表情からは京都議定書に関して国内の財界の反発の凄まじさが伝わってきた。

経団連などが、その代表だと思うが、彼らの経済優先路線もわからなくもない。立場が違えばやはり規制がかかる温室ガス削減の取り組みに反対するかもしれない。しかし、プラスに考えていけば厳しい規制をかけられながら発明された日本の最先端技術が世界に先駆ければ、環境先進国としての地位を築ける要素でもある。この京都議定書が日本にとって1つチャンスとなる可能性も秘めている。 この点では川口大臣も僕の意見と重なった。ただ、川口大臣がおっしゃったようにその立場立場で環境に対する意識も変わってくる。川口大臣は推進派、反対派と多くの意見のなかから舵を取らなければならない。

反対派の意見の中にも恐らく私のような賛成派が見をとしている要素もあるだろう。反対派の意見にも耳をかたむける重要性を川口大臣から学んだ。会話は富士山の入山料にまでおよび、川口大臣も
「これからは自然をどのように守るか。立ち入り制限であったり、入山料であったりと、多くの議論をしなければならない」
とおっしゃられた。僕も同感である。

未だに日本人の中には
「自然はタダだ」
という意見が強いが自然保護というのは大変な時間と能力と費用がかかる。自己負担しながら自然と向き合う入山料制度にすべきだと私は考えているが、この件に関しては川口大臣は慎重に言葉を選ばれ
「一番大切なのは誰の為の環境保護か」
と、都会から自然に訪れた人の為か、それとも地元で生活している人の為か、自然保護のあり方の多様性がこれからの課題だとの意見。一概にこれだ!と決め付けられないのが環境問題の難しさ。大切なのは問題意識をもつこと。日本人は環境破壊に対する危機意識がまだ足りない。議論もまだまだこれから。

川口大臣との第一回目の対談は無事に終了したが、これで解決したわけではない。新しい分野であるだけに難しいが、しかし、新たな発見があるはずだ。

対談の最後に
「これからもお尻の重い環境省のお尻をパンパン叩きにいきますのでよろしくお願いします」
と言えば川口大臣からは
「いつでもいらしてください」
と心強いお言葉を頂いた。

対談の感想は1時間じゃ足りなかった、そしてめちゃくちゃ面白かったということ。時間を忘れていつまでも続けたかった。また、対談を1時間以上も並んで会場入りしてくださった学生や社会人の方々の意識の高さ。一緒に加わってくださった楽しい会だった。そして、やはり最後には川口大臣は
「すてきな女性だったな~」
ということでした。

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