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「スルメ」政治家 山崎拓幹事長

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2002/02/20

「スルメ」政治家 山崎拓幹事長

 

山崎拓幹事長との対談の様子。僕の意見をじ~っくりとお聞きになら、小一時間の間では、やんちゃぶりを存分に感じるまでにはいたらなかった・・・。残念!

 2月19日、ブッシュ大統領の来日に伴い、前代未聞の大規模な交通規制、警備体制の中、山崎拓幹事長と対談を行った。

 山崎幹事長と対談を行うにあたって山崎氏の印象を思い巡らしてみたら、一言「いつ見ても眠そうな顔をしている人」だ。対談の前日に山崎氏の秘書がわざわざ僕の事務所に挨拶しにきてくれた。率直に
「よく、お話しされるほうですか?」
と尋ねたら、
「ハイ!よくしゃべります!」
と返事をいただいたが、にわかには信じられなかった。僕としても自民党幹事長の山崎拓氏に伝えたいことは山のようにあったので、なにもしゃべってもらえないのも困る。

 しかし、実際には氏との対談はおおいに盛り上がり、杞憂で終わった。話した内容はもちろん環境に対する政策について・・・。

 例えば環境教育の必要性、環境保護を目的とした法的なルール作り(罰則を含めた条例・国立公園や世界遺産の入園料)等々・・・。環境省の規模拡大、富士山などの人が過密に集まる国立公園や世界遺産での入山料徴収制度の実現や、レインジャーのパトロール強化や、レインジャーの権限や人員の拡大(アメリカではレインジャーに逮捕特権がある)の必要性を強調し対談を続け、山崎氏も僕の意見をじっくり聞いてくださった。

 現状の罰則がない条例に異議を唱えた僕の意見に同意してくださったことはうれしかった。白神山地や富士山での状況を例に密猟者やゴミを不法投棄する業者への罰則強化には
「小泉総理にも伝えます。」
と、こころ強いお言葉もいただけた! 
そして富士山の入山料案にも
「医療保険の問題と同じです。自然保護の分野においても国民の自己負担は必要。」
と意見も一致した。

 ポツリ、ポツリとお話しされる様子はテレビで拝見していた姿と同じだった。ただ、人の話しを丁寧に、またじっくり耳を傾けてくれる姿勢まではなかなかテレビでは伝わらない。決して派手で目立つキャラクターではないが、二世議員でもない山崎氏が幹事長にまでのし上がったかがわかったような気がした。

 たたき上げで政治の世界で生きてきた山崎氏の耳は潰れていた。子供の頃はヤンチャで喧嘩を繰り返し、あるときに復讐され片目を失明したそうだ。ケガをしてからは自分のおごりに気が付き、護身術の柔道を習いはじめたとのこと。このおっとりした政治家が喧嘩を繰り返していたことにビックリした。小泉さんも
「世間一般で言われている印象とはまったく違いますよ。YKKの中で彼(山崎氏)が一番大胆ですよ! こんなこと言っていいのかと思うぐらい大胆率直ですよ。」
とコメントしていたぐらい、実は今現在でもヤンチャらしい。

 一時間たらずの対談では、山崎氏の人柄のほんのさわり部分しか見抜けなかったと思う。ただ、環境政策になると断言しようとしない政治家が多い中、山崎氏の発言はポツリポツリとしながら静かな口調の中にも自身の意見をハッキリと含めていた。

 例えば
「先の京都議定書では経団連からの抵抗や圧力がありましたか?」
と聞けば
「その通り。ありました。」
とハッキリお話しし、その中で
「罰則を省いた京都議定書案には疑問がある」
とおっしゃられた。京都議定書をまとめた川口外務大臣(当時環境省大臣)も言葉を選びながら、慎重に経団連との経緯をお話しされていたが、山崎氏は意外にも率直に意見を述べてくださった。

 政治家と言えば、橋本龍太郎元総理とお会いする機会が多く、あのスパイスが効いた橋本氏のキャラクターに鍛えられていただけに、山崎氏の刺激は決して強いものではなかったが、それでも意思の強さ、胸の内に秘められたエネルギーは十分感じることができた。

 対談後の山崎氏の印象は
 「山崎さんはスルメ。噛めば噛むほど味が出てきそう。」

 したがって一度、山崎氏と酒でも酌み交わしながら日本の環境への取り組みについて語り合いたいな~と一時間の対談時間にすこーし物足りなさを感じたのも事実。一度の対談ではスルメの味は出尽くすものではない。じっくりと、ゆっくりと再会することを楽しみにしている。

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