シェルパ基金 , 地球温暖化 , 富士山 , 私の進む道

2002/06/10

今後の私の進む道

 

報告会の模様

 5月30日、午前7時過ぎ成田に帰還。久しぶりの日本に心が躍る。次の勝負の場は日本だ。帰国し、今後の予定を確認した。

 まずは、テレビ朝日系列の番組「素敵な宇宙船地球号」で8月から5週連続で地球温暖化特集を企画している。その特集で僕がナビゲーターを行うことなり、6月中旬から7月下旬にかけて温暖化の調査でアフガニスタン、アイスランド、スイスを訪問する。特に、アフガニスタンは砂漠化が深刻な状況だと報告されている。橋本元総理はアフガニスタンの難民キャンプでは水源が乾き、飲料水の確保が困難な状況だと指摘されていた。アイスランドは「水素エネルギー100パーセント社会宣言」を行った。アイスランドは現時点ですでに地熱や水力発電などの循環型エネルギーに頼っている。アイスランドでは循環型エネルギーシステムや水素供給国としての役割を見てきたい。スイスでは後退している氷河の調査。一ヵ月半、目まぐるしく世界中を移動しなければならないが、この眼で地球温暖化をしっかりと確かめてきたい。貴重な経験だ。アフガニスタンはインド、パキスタンの関係が緊張しているので、ウズベキスタンからアフガニスタンに陸路で進入するとのこと。地雷でふっ飛ばされなければいいのだが・・・。

 夏には富士急ハイランドで富士山の環境保護をテーマにした「野口健 フジサンエイド基金」が設立され、コンサート等のイベントを通して広く基金を呼びかける。8月3日には渡辺貞夫さん、高中正義さん、後藤次利さん、斎藤ノブさん、塩谷哲さん、TOKUさん、のアーティストの皆さんがこの基金設立の主旨にご賛同してくださり、コンサートを行ってくださる。富士急行の堀内社長とは昨年の夏にお会いし、今後共に富士山の環境保護のために戦おうと約束した間柄。そしてその一年後に富士急行の協賛で「野口健 富士山エイド基金」が設立される。

 8月4日には一般募集により参加された方々と富士山の清掃活動を行う。

 8月中旬では日本テレビ系列の「24時間テレビ」の企画で僕と子供達が富士山に登る様子を生中継する。子供達と自然との係わり方を語りたい。

 日本ではマスコミの方々のおかげで、徐々に僕の活動が一般的にしられるようになってきた。いままで山登りしたことない方々からも「山でゴミを拾いました」と、メッセージを頂くことも多くなってきた。一部の山岳関係者?からは、なかなか理解されないエベレスト清掃登山。もどかしくもあるが、いまは我慢。いかなる状況であろうとも、このエベレスト清掃活動を中心とした環境への取り組みを持続していきたい。

 6月7日、都内のホテルでエベレスト清掃活動の報告会が開かれた。マスコミ、スポンサー関係から多数の方々がご出席された。そして橋本龍太郎氏も多忙のスケジュールの中、駆けつけてくださった。来年3月には京都で「水の環境フォーラム」が開会される。議長は橋本龍太郎氏。橋本龍太郎氏に
「僕もそのメンバーに加えてください」
とお願いしたら、
「よし!分かった!」
と快く返事してくださった。これからは「水」をテーマにした環境調査が僕の活動に加わる。これから、橋本龍太郎氏と共に、日本国内の分水嶺の調査を行う。北海道から九州までの分水嶺を見て回るのだ。橋本氏と山に登るのは初めて。今から楽しみでならない。

 

チョンリンジのふたりの子供と
(カトマンズにて)

 ざっと今年の予定を書いてみたが、自分の掲げた目標が少しずつ具体化されてきている。シェルパ基金もスタートした。今年からシェルパ達の遺児5人を進学させる。もうすでに2人のお子さんが決定した。「みんなにヤッホー」でも紹介したチョンリンジの子供達だ。シェルパ基金関しても、やはり雑音が絶えない。中には、僕のシェルパ発言に対して、
「法的手段で訴えるぞ!」
と脅迫じみた行動を起こそうとしている山岳関係者もいる。しかし、譲れないものは譲れない。妥協もありえない。相手がその気であるならば、いつでも戦う用意はある。
「たとえ火だるまになろうとも、行政改革をやりとげる」
これは橋本龍太郎氏が総理に就任された際に発言された言葉だ。
「たとえ、火だるまなろうとも・・・」この言葉を始めて聞いたとき、僕は7大陸最高峰の挑戦中で苦しんでいた時期だっただけに、どれだけ勇気ずけられたことか。そして、今も変わらず同じ心境だ。これからも失敗や、逆風を恐れずに「前へ前へ」と進みたい。

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