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憧れの伊勢神宮にお参り

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2006/10/04

憧れの伊勢神宮にお参り

(写真をクリックすると拡大します)

 伊勢神宮にお参りしてきました。先月、霊峰である白山に登ってから、日本人と自然との関わり方をもっと知りたいと伊勢神宮に訪れてみました。

神宮

 伊勢神宮は「式年遷宮(しきねんせんぐう)」という独自のしきたりがあります。それは、20年に一度、社殿など全ての建物を新しく造りなおすのです。また建物だけではなく御装束、神宝、なお14の別宮や内宮の宇治橋なども造り替えられます。
伊勢神宮が造られてから2000年。1300年前から現在の姿となりその頃から20年に一度の「式年遷宮」が始まりました。

神宮2

 神宮は古代から伝わってきた姿を持ちながら常に新しいお宮であり続けた。神宮は古くて新しいお宮。そして檜を伐採しながらも新たに檜を植樹する。大正12年から200年計画で檜の造林事業を進めている。伐採しては新たな命を森に吹き込むのだ。神宮の職員が宮域林(世田谷区ほどの面積)を管理し、伐採やまた針葉樹のみにしないで、森林生態系の調和を図るために広葉樹との混交林に誘導する施業を行なっています。宮域林も歩いてみましたが生き生きした明るい森でした。
 
神宮3

 遷宮は木の再生の祭りです。木に祈り、感謝し、そして慎んで伐採する。そしてその分植えて再生させる。神宮で解体された木材は全て他の神社の建て替えや災害の復旧時に差し上げ木材の切れ端まで再利用される。完全なるリサイクル。

 なぜ20年に一度かというのは、人生の1区切りが20年と考えられ、また技術の伝承するためにも合理的な年数とされています。神宮は古くて新しいお宮。伊勢神宮に訪れた小池百合子さんは「伊勢は懐かしい未来がある」と文学的な表現で伊勢を表していました。一般的には古ければ古いほうが言いと思われていますが、遺跡となっていまえば生き続けていないことだ。神道には常若(とこわか)と言う言葉がありますが、心を継承してゆくけれど、表に出てくるのは新しい姿。ハードは新しくソフトは古い。

神宮4

 1300年間、技術がずっと継承され、森と関わり、時に伐採、そして再生と、自然と共生している神宮の姿に、また1つ日本が世界に誇れる姿、文化、あらゆる自然に神霊は宿るといった日本人の宗教観(神道)を伝えていけると、一人の日本人として「式年遷宮」を1300年にも亙って欠かすことなく続けてきた伊勢神宮には心から敬意を払います。詳しくは近々、野口健HPの「野口健メッセージ」と「野口健ニュース」にも紹介されますのでご覧下さい。

神宮5

 あ~それにしても伊勢神宮は美しいところですよ。心がスーと癒されてきました。最近、短気になってきたのか、ちょっとイライラすることが多く、だんだんと自身の人相が険しくなってきたので、ちょうど良かったです。気持ちがとても穏やかになりました。日本の源郷である伊勢神宮にまた触れてみたいと思います。
 先ほど、日本人の宗教観と表現しましたが、いわゆるイスラム教のような一神教
とは大きく異なり、「神道」とは神様の道であり、私なりに解釈すれば「人としての道を究める」事なのかと思います。
 
 まだまだ伊勢神宮に未練が残りましたが、東京に戻ってきました。東京には厳しい現実が待っている。再び寝られない夜。しかし、明日からは大好きな白神山地。マタギの工藤さんとの再会。工藤さんもいつも白神山地に入るときに白神山地の神様に祈り、白神山地の自然の恵みに感謝し森と共生してきました。伊勢神宮同様に環境保護の原点を感じます。それでは、次は白神山地での報告をします!

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