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2007年エベレスト清掃登山 , ヒマラヤ

チョモランマ・ベースキャンプ入り

2007年エベレスト清掃登山 , ヒマラヤ

2007/04/12

チョモランマ・ベースキャンプ入り

チョモランマを指差す野口
チョモランマを指差す野口

4月10日、チョモランマ・ベースキャンプ入り。ラサ~シガツェ~シガールを経由しベースキャンプ入りしたが、 ラサからチョモランマ・ベースキャンプまでの道のりの大半がアスファルトで舗装されておりビックリ。

私が最後に この道を通ったのが2001年だがあの頃はアスファルトなどあるはずもなく、まるで火星にやってきたかと錯覚してしまうほど がれ場、砂漠地帯だった。四輪駆動車はガタガタ道を埃を巻き上げながら走ったが、今ではすっかりと舗装道路。 チベットのど真ん中であろうが、さすが中国、人海戦術で道路を作り上げてしまう。来年の北京オリンピックではチョモランマを舞台に山頂まで聖火リレーするとのこと。噂ではチョモランマの山頂まで聖火を上げるようですが、聖火リレーの為に急いで道路を舗装したとのことです。東京オリンピックで新幹線を走らせた感覚なのでしょうか?恐るべし中国、勢いを感じますよ。ただその勢いが羨ましかったなぁ~。

中国版、池田勇人の「所得倍増計画」であり田中角栄の「日本列島改造論」なのだろう。懸念されるのは「日本列島改造論」では地方の経済力の向上、中央と地方の格差を圧縮させて、バランスがとれた国土発展を目指したものだが、しかし、業者が東京を中心に都市部での土地を買い漁り、結果的に大都市圏と地方の地価格差を拡大させてしまった。それが資産格差につながり、地方と都市部の経済力の差を生じてしまった。高度経済成長時代の中国。中国も同じ過ちを繰り返さなければいいのだが。

 東京オリンピックの頃の日本も国民が一丸となって我武者羅に働き突き進んでいたのだろう。今の日本に最も欠けている部分かもしれない。日本もうかうかしていると一気に中国に越されるだろう。それもそうかもしれないけれど、世界的に経済発展を遂げるというテーマはとりあえず果たしたわけだから、次のステップとして日本が世界に対して何が出来、また何を求められているのか、その部分に向けて世界に存在感を示す段階じゃないだろうか。色々な分野があるのだろうが、環境問題でもチャンスがあるだろう。京都議定書の議長国でもあり、またアメリカが地球温暖化に対して熱心に取り組まない以上、その分、日本がリーダシップを発揮しなければならない。

特に中国の環境破壊は深刻。環境破壊の先輩国として同じ過ちを繰り返さないように彼らに環境技術を伝授しなければ、日本はアジアのリーダになれない。とにかくもっと必死にならないと・・・。最近よくスローライフなんて言葉を耳にするけれどまるでローマ帝国の末期状態。そんなのん気な事言っている場合じゃないだろうに・・・。

 ベースキャンプ入りしてまた驚いたのが登山隊の多さ。中国隊は隊員、スタッフ総勢300人。来年に向けての準備とのこと。それ以外にもすでに24隊以上がベースキャンプ入りし、上部キャンプに荷揚げするヤク(高所に生息する毛の長い牛)が足りない。ノースコルという7000M地点のキャンプ地ではサクラの花見のように場所取りが行われているとのこと。世界最高峰はなんとも騒々しい。呆れ驚いたのがベースキャンプ入り口には売店がズラリとならび、シェルパの情報ではいかがわしい商いがディープに行われているようです。いやはや・・・。

 それにしてもチョモランマはとてつもなく大きい。ネパール側からよりもチベット側からのほうが一段と大きく見える。まるで203高地の要塞のような威圧感。


チョモランマの雄姿

チョモランマの雄姿

ヒマラヤ山脈 左端がチョモランマ
ヒマラヤ山脈 左端がチョモランマ

チョモランマの雄姿
初チョモランマに興奮のけいちゃん
 

 

 ただ、登山家の血が騒ぎ出したのか夜は目が爛々と興奮状態、朝方まで眠れず。そしてヒマラヤ生活ではお決まりの頭痛。低酸素による高度障害。朝起きたら顔がパンパンに浮腫み、淳君と目があったら彼も苦しい夜を向かえた事が一目瞭然。その横でけいさんだけが一人元気。これからの二ヶ月間は低酸素障害との闘い。標高を上げればその分だけ容赦ない。この痛みとも仲良く付き合っていかなければならない。ただ、痛みを感じるのは生きている証拠。痛みを感じる度に生きていることを実感する瞬間でもある。考えてみればお金と時間をかけてわざわざ苦しみ、命まで賭けているのだから、悪趣味と言われれば確かにそんな気もしますが、ただこんな贅沢はないですよ。精一杯、とにかく精一杯、頑張ればいい。
 
  4月15日は富士山との同時清掃。若村麻由美隊長、よろしく頼みます。

 

 

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