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2007年エベレスト清掃登山

夢にまで見たカトマンズに戻る

2007年エベレスト清掃登山

2007/05/25

夢にまで見たカトマンズに戻る

 昨日、やっとやっと夢にまで見たカトマンズに戻ってきました。なにしろ酸素が濃い。
空気が重たく感じる。弱っていた体が急激に回復していくのが分かります。今は生きて還ってこられたことがただただ嬉しい。
山頂から下山中、酸欠でぶっ倒れながら歩いていたので首を打ったのか(記憶にありませんが)
むちうち

気がついたら鞭打ち症になってしまいました。首の後ろがボコッと腫れ首が上下する度に激痛が走り谷口けいさんにダンボールにタオルを巻いた手製のコルセットを作って頂き首に巻きつけ固定しながら戻ってきました。温室育ちのデリケートなアルピニストにとってチョモランマ挑戦はなかなかハードでした。ただ、こうして無事に挑戦を終えてみると、生きることに必死だったこの二ヶ月間は理屈抜きに生き生きとしていた。とても楽しかった。チョモランマ(エベレスト)はもうお腹いっぱいですが、またいつの日かヒマラヤに挑戦してみたい。

今年のチョモランマは来年の北京オリンピックに向けて盛り上がっていました。聖火リレーでチョモランマ山頂にまで聖火を上げる準備をしていたり、ただ、残念だったのがその影で新たなゴミが捨てられていたり、またアメリカ人が「フリーチベット(チベット解放)」と書いたカードを掲げただけで逮捕された事件が発生したり・・・。憤慨し現地のチベット人に「破壊活動を行ったわけではないのに逮捕とはやりすぎだ!」と大声で愚痴をこぼしたらそのチベット人が真っ青な顔をして「ここでは政治的なことはいっさい発言しないでください。聞かれたら大変なことになります」と慌てて発言を止められたが、常任理事国に入っている大国が本当にそれでいいのでしょうか?言論の自由が保障されている日本では考えられないことですが、これが中国での現実です。北京オリンピックが1つのきっかけとなり、中国が環境問題、人権問題、そして開かれた社会を目指されるのであれば、北京でオリンピックが開催される意味があると思いますが、果たしてどうでしょうか?私は危険を承知でカードを掲げ逮捕されたそのアメリカ人の勇気ある行動に敬意を表します。

首の怪我もあり、しばらく(5日ほど)ネパールで静養し帰国する予定です。あっそうそう、今日、嬉しい事がありました。ラサ(チベットの首都)を旅していた日本の若者4名がラサのインターネットカフェで私のチョモランマ登頂のニュースを知り「野口健とチョモランマのベースキャンプでゴミを拾う!」となんとチョモランマのベースキャンプまでジープをチャーターして駆けつけてくれました。しかし、ちょうど入れ違いですでに私がネパールに向けて出発しており、カトマンズの私が滞在しているホテルを調べ今日、私の元に尋ねてくれました。手にビールを持っていて「野口さん、チョモランマ登頂おめでとうございます」と祝福してくれました。嬉しかったなぁ~ 彼らは陸路でトルコまで旅をすると話していましたが、日本にもちゃんと元気な若者がいるじゃないですか!首が痛み午前中は病院で検査していましたが、彼らが尋ねてくれたことでだいぶ元気になりました。
ありがとう!彼らが無事に旅を終えることを祈っています。
2007年5月23日 ネパール・カトマンズにて 野口健

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