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風評被害に苦しむ佐渡島

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2007/07/26

風評被害に苦しむ佐渡島

 昨日、佐渡島での環境学校を終了して東京に戻ってきました。佐渡島では来年、放鳥される鴇の餌場作り、例えば使われなくなった棚田の跡地をもう一度、耕し、そこに水を引っ張ってくる。そうすればドジョウやオタマジャクシが生息するようになる。佐渡島と関わってきて4年目。山に登ったり、海に潜ったり、また酒にお寿司を楽しんだり、ホノボノとした懐かしい極めて日本的なまるで日本昔話に出てきそうな風景に癒されてきました。しかし、その佐渡島が地震の影響で観光客のキャンセルが相次いでいるとのこと。佐渡島自体にはまったく地震の影響がなかっただけに深刻な風評被害が残念。

 そして大々的に報じられている原子力発電所からの放射能漏れですが、政府と発電所が定めた排出基準の10億分の1から1000万分の1程度だとのこと。水質汚染などの環境への影響はない。しかし、佐渡島を含め海水浴場はガランガラン。新聞報道ではイタリアのサッカーチームの来日予定を急遽中止したとのこと。新潟の海産物も注文のキャンセルの嵐。もうちょっと冷静になってほしい。 

 そして820マンキロワットという世界最大級の出力を誇る東京電力柏崎刈羽原発の来秋までの停止はCO2削減に大きなダメージを与えてしまう。仮に一年間停止し、その分を石炭火力発電に頼ったら約400万トンの二酸化炭素が増えてしまう。 環境保護への関心の高まりで、原子力発電への需要急増が世界的に見込まれているが、政府は、東芝や東京電力などと使用済み核燃料の排出が今より約4割少ない、環境配慮型の次世代原発炉を2025までに開発すると発表したばかり。
 
 1979年のアメリカのスリーマイル島事故以来、欧米では原発事業を縮小していたが、ハイリゲンダム・サミットでは「2050年に温暖化ガスを半減させる」ことが確認された。地球温暖化への取り組みが国際的なテーマとなってきた今、欧米でも原発への見直しがなされてきた。今後、30年で中国、インドを含めると200基以上の新規需要が見込まれているだけに、安全性の向上に尽力してほしい。いずれにしろ、日本は唯一の被爆国だから原子力に対して慎重になるのは当然のこと。しかし、もう少し冷静になるべきじゃないだろうか。風評被害に苦しむ佐渡島に訪れてみて心底そう感じてきました。

 今夜はフジテレビの「まるまるちびまる子ちゃん」19時~20時に出演しますので、もし良かったらご覧下さい。 

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