久々のブログです。昨日から三連休。伊豆の山中で三日間のプチ断食をスタート。今日は断食生活、二日目です。(断食については野口健メッセージ「断食生活からのある気づき」をご覧ください)ヒマラヤから戻ってきてやっと一息。先の人間ドッグの結果はけっして理想的ではなく、地球環境を訴え続けるためにもまずは体内環境を整えなければならない。体も1つの地球のようなもの。「血液」の汚れは「水」「大気」の汚染、暴食による肥満は、大量消費社会によるゴミ問題や排出量が増え続ける温室効果ガスによる気候変動(温暖化)と同じかもしれない。どうしても仕事で会食が続いてしまう。そして寝不足。追い討ちをかけるようにヒマラヤでの低酸素障害による血行障害、そして脱水症状、断食でもして内臓をゆっくり休ませないとバァンだ。長持ちするわけがない。

3月に入ったら南太平洋にあるツバルへ。ツバルは気候変動(温暖化)の影響による海面上昇でその国土を失いつつある島だ。気候変動によって南極などの氷河が融解し、それらの影響で海面上昇が指摘されているが、海面上昇と言ったら「ツバル」と言われるほど世界的に有名になった島だ。海面上昇にとってのシンボル的な存在。2002年12月に一度ツバルに訪れた事があるけれど、あの時は今ほどツバルの存在は知れわたっていなかった。

しかし、ツバルは気候変動、いわゆる地球温暖化の脅威を国際社会に訴え続けることを国策の中心にすえ世界中の政治家、有名人などを招待。日本からも小池百合子元環境大臣、石原慎太郎都知事、鴨下現環境大臣もツバルに訪れている。

そのツバルに今回はコスモ石油の鴇田穂積さん(環境室室長)と向かう。コスモ石油はツバルの海岸浸食を防ぐためにマングローブを植えているNPO団体を支援している。その様子を視察し、またツバルが気候変動を世界に訴えてきた姿勢を学びたい。何故ならば私が関わっているヒマラヤも同じく気候変動によって氷河が融解し被害を受けている。

しかし、ネパール社会はその被害を世界に訴えてこなかった。昨年の「第一回アジア・太平洋水サミット」前に我々がコイララ・ネパール首相側に「日本の外務省に、氷河の調査、決壊対策等について要請を出してください」とお願いしようやくネパール政府から日本の外務省に要請が届いたレベルです。ツバル政府のようにまずはネパール政府が気候変動による被害を国の重要課題に掲げなければ世界は動かないでしょう。今年1月にヒマラヤ氷河湖の視察を終えその被害の深刻さをネパールのメディアに訴えてきたのもネパール政府がこの問題に真剣に取り組むようにネパール社会、世論に訴えたかったからだ。しかし、残念ながら取材の翌日はカトマンズで原油価格高騰によるデモで外出禁止令まで出され町中に焼かれたタイヤが転がり警官隊とデモ隊が衝突し、とても人々に環境問題が伝わる状況になかった。ただ、諦めたら終わりだ。粘りたい。ツバルから学ぶことは多いはず。

 
そしてツバルから帰国したらすぐにフィリピンのセブ島に遺骨収集の為に向かう。先の大戦で亡くなった日本の将兵の遺骨がいまだその多くが戦地に取り残されたままだ。野口健HPの「野口健メッセージ」の「遊就館で感じること」に大戦で亡くなっていった多くの将兵に対する私の気持ちを書かせて頂きましたが、私が感じるのは祖国の為に命を捧げた先人に対する日本社会の冷たさだ。アフリカやアジアの到る所に戦争で亡くなったイギリス兵士の無名戦士の墓が立派に管理されている。青々とした芝に絶えることのないお花。

シンガポールに日本人墓地があるが、日本政府は関わっておらず、あくまでもシンガポール在住の日本人が寄付金を集め英霊を納めたのだ。(詳しくは野口健メッセージの「シンガポールにて」をご覧ください)遺族会も高齢化し遺骨収集は困難になっている。そして厚生省からの補助金も縮小。忘れ去られようとしている、未だにジャングルで横たわっている遺骨を胸に日本に戻ってきたい。少しでも多く、可能な限り。

 フィリピンから戻ったらいよいよ再びヒマラヤへ。今回は「エベレストからベンガル湾へ」を旅のテーマにします。詳しくは近々、発表します!


2月27日 伊豆の山中にて 野口健

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