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2008年エベレスト清掃登山 , 富士山清掃 , 記者会見 メディア関連

環境省での記者会見・ヒマラヤ遠征スタート

2008年エベレスト清掃登山 , 富士山清掃 , 記者会見 メディア関連

2008/04/08

環境省での記者会見・ヒマラヤ遠征スタート

(写真はクリックしたら大きくなります)

「環境省の記者会見での資料はこちらから」

 4月1日、環境省記者クラブにて富士山清掃隊長の若村麻由美さんと記者会見を行った。女優の若村麻由美さんは98年10月にNHKの番組でエベレスト手前にあるにカラパタール峰(5545M)に登頂。エベレスト街道をトレッキング中にごみの多さに驚き撮影の合間にごみを拾っていたと関係者から聞いていたので勝手に親近感を抱いていた。そしてある仕事でご一緒させて頂いたときにエベレストや富士山での清掃活動の話になり、図々しいのを承知で「一緒に清掃活動しませんか」とお願いし快く引き受けてくださった。ちょうどその頃、私には1つのプランがあった。それはヒマラヤと富士山の同時清掃活動だ。私はヒマラヤで清掃、そして富士山サイドは若村麻由美さんに清掃隊長を引き受けて頂きたいと、そんな私の勝手なプランに若村麻由美さんは「分かりました。私が責任もって富士山を引き受けます。日本の事は心配しないで野口さんはマナスルに専念してください。無事に戻ってきてください」と本当にありがたいお言葉でした。

記者会見

記者会見2

 我々のような清掃屋集団?だけではなく若村麻由美さんのようなまったく別世界で活躍されている方が加わればこの清掃活動もさらに広がりを見せるだろうと、またいくら著名人でも清掃活動に関してマインドがなければ時に逆効果になることがある。その点、若村麻由美さんは理想的なパートナーです。

記者会見3


 それから2006年、「富士山・マナスル同時清掃活動」、2007年、「富士山・エベレスト同時清掃活動」(チベット側)が行われ、今年も4月19日に「富士山・エベレスト同時清掃活動」(ネパール側)が行われます。

 そして同時清掃活動にネパールの氷河および氷河湖についてICIMOD(国際総合山岳開発センター)と連携し調査、視察します。UNEP(国連環境計画)およびICIMODの調査によると現在ネパールには3,252の氷河と2,323の氷河湖があり、5~10年の間に気候変動(温暖化)の影響によって20以上の氷河湖が決壊する恐れがあると報告しています。その中でも「イムジャ(エベレストの南約9キロ)」「ツォー・ロルパ(エベレストの西南約46キロ」「ローワーバルン(マカルーの南約10キロ」「ツラギ(マナスルの南西約10キロ)」の4氷河湖が特に決壊の恐れが強いと言われており、昨年から氷河湖の視察を行ってきました。「イムジャ」「ツォー・ロルパ」は年末年始に訪れてきました。(すでに野口健HPにも紹介してあります)そして今回は残りの「ローワーバルン」と「ツラギ」を訪れます。

 特に「ローワーバルン」「ツラギ」はその行程が困難で氷河を含めた幾つかの峠を越えなければならない為に上空から撮影された写真はあるものの現場の情報が極めて限られている。我々が湖畔から氷河と氷河湖の境目など、詳細な撮影に成功すれば氷河の研究者、環境省、外務省などの担当機関、また報道機関にご提供させて頂き少しでも研究、調査の足しになればと思う。なにしろ登山家の頭脳など所詮はカニみそのようなもの(私だけかもしれないが)でしかない。専門的な分析は専門家の先生方にお任せするしかないが、ただ我々は危険な現場まで行ける体力、技術はある。大切なことは各専門家との連携ではないだろうか。

 限られた時間の中でどこまで清掃活動また氷河湖の視察が行えるのか分からないが、5月23日に神戸で開催されるG8環境大臣会合特別シンポジウムまでに可能な限り現場の情報を集めたい。

ルクラ到着

ルクラ到着

 4月5日にエベレスト街道の玄関口であるルクラへ。しかし、寝不足が続いていたせいか、または日本、カトマンズを離れ緊張感から解放されたのか、はたまた自身の領域にまで戻ってきた安心感からか、ガクッと力が抜けとても歩く気にもなれず一日中、寝袋の中で休んだ。山小屋の外から聞こえてくる鶏の「コケッコッコー」がなんとものどかな象徴であり、エベレストのベースキャンプで待ち構えているであろう異常事態を前にほんのひと時の平和を満喫していた。

 2008年4月5日 ルクラ村にて 野口健

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