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対談・会談 , 森林関係

安藤忠雄さんとの再会

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2008/10/17

安藤忠雄さんとの再会

 本日、建築家の安藤忠雄さんと再会。何故か私、昨年の「ベスト万年筆賞」に選ばれましたが、この賞の面白いところは受賞者が次の受賞者を選ぶこと。私の場合は2年前に受賞された小池百合子さんが私を推薦。そして今年は私が尊敬しまた環境仲間として一緒に東京湾に森を作ろうと緑の東京募金の活動を行っている安藤忠雄さんをご推薦させて頂きました。
安藤さん


 「緑の東京募金」とは東京都主催で行っているプロジェクトであるが、東京都ででた1230万トンと建設工事で出た残土によって東京湾に埋め立てられた、いわゆる「ごみの島」に森を作ろうという計画。その「海の森」はお台場の沖合に浮かぶ中央防波堤の内側に位置するが、スダジイ、タブノキ、エノキなど48万本を植える。ごみの島に森を作るのは世界初の試みです。事業委員長は安藤忠雄さん、実行委員に私も加わり夏季五輪招致を目指す2016年までにはおおよそできる予定だ。
 
 東京都は2006年に「十年後の東京」というデザインを発表。「海の森」もその1つであり、それ以外に校庭の芝生化、また街路樹を倍の百万本に増やすなどして緑に囲まれた東京を目指す。特にこのプロジェクトに対する石原都知事の思いれは強く、石原都知事自らがこの「海の森」で植林活動を行っている。

 安藤忠雄さんとはこのプロジェクトで出会い交流を続けてまいりましたが、初めてお会いしたその瞬間からピーンとなにか強いもの感じていた。

安藤さん
安藤忠雄さんと

 ボクサーから建築家、そして東大教授という異色の建築家、安藤忠雄さんですが、家庭の経済的な事情から大学に進学し建築を学べなかった安藤さんは地元の工業高校を卒業後、図書館などに通い独学で建築を学ばれた。「ケンカしてお金がもらえるから」と高校時代にボクシングのプロ・ライセンスを取得。しかし、ファイティング原田選手のスタミナに「これは無理や」とスパッと諦め建築の世界へ。アルバイトをしながら建築の独学を始めて、20代の中頃に約30坪の小さな家を設計されられた。安藤さん曰く「大阪の人には勇気がある。なにしろ学歴もない、後ろ盾もない、そんな人間に設計させてくれるんだから。これ、東京ならあり得ない」と。
 今では、世界中から注目される安藤忠雄さんだが、私がなによりも大好きなのが安藤忠雄氏のスタイルである。髪もボサボサ、スーツもヨレヨレ、けっして着飾っていない、そして大先生でありながらも威張ること無く、とっても気さくにお話をされる、その全てがさりげなくカッコイイのだ。本物の男なのである。内面が輝いている男はなにも着飾る必要なないわけです。格好つけないところが実に格好いいのだ。
 表彰式の前に約2時間ほど対談を行いました。詳しく後日、月刊紙「ソトコト」で紹介されますので、ぜひご覧いただけたらと思います。
 
 環境問題はまさしく人間社会が相手であり、どのような社会を作っていくのかがテーマですが、これからも安藤忠雄さんには環境をテーマにした社会の設計に尽力される事を期待し、また一緒に活動を行っていきたいと思います。


2008年10月16日 野口健

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