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清掃活動 , 自然保全 , 講演会

清掃行脚の日々 ~愛媛・熊本~

清掃活動 , 自然保全 , 講演会

2009/10/15

清掃行脚の日々 ~愛媛・熊本~

 愛媛、熊本と清掃行脚から戻りました。10月9日、「拾えば街が好きになる運動」(JT主催)の清掃活動が愛媛・道後公園にて行われた。まず午前中に久米小学校にて小学高学年生を対象に講演会が行われた。テーマは「環境問題を一緒に考えよう!」。小学校での講演は久しぶりでしたが、誰一人寝る子もいなく、質問時間中も「ハーイ」と元気よく手が上がり先日の後遺症?から解放されたような、実に清々しくやりがいを感じていた。共にハッピーなのが一番いい。
久米小学校での講演

久米小学校での講演


 ただ、先日の某大学での経験は決して無駄ではなく、最初から聞く気のない学生たちをどのようにその気にさせるのか、これは一つの課題として残った。興味がある子は自分から積極的に向かい合ってくれるのだが、無関心と思われる学生たちにどのように話せば伝わるのか、興味を抱いてくれるのか、これが出来ればメッセンジャーとしてもう一歩先に進めるし、なによりも輪を広げる事ができる。学生から「私たちにも聞く、聞かない、権利があります」などと書き込まれているようでは私もまだまだ甘い。
質問に手を上げる子供たち

質問に手を上げる子供たち

 小学校の子どもの質問の中に「富士山ではゴミ以外に汚いものはなんですか?」とあり、これは今までにない指摘であった。「ゴミ以外に汚いもの」、う~ん、なかなか当てはまる言葉が見つからなかったが、これは問題発言になるかもしれないかな?と自覚しながらも「それはね、無法投棄する人間たちだ。樹海にトラックでゴミをたくさん持ってきて真夜中にこっそりと捨てる彼らの心が汚い。そうゴミ以上に彼らの心のほうが汚い」と答えた。人様を「汚い」と言うのは問題なのかもしれない。しかし、長年、富士山の不法投棄と格闘していると、彼らの存在がいかに哀れで醜いか、そして社会にとって害であるのか、あの樹海に埋められた注射器が全てを物語っている。

 小学校を後にし、松山市の中村市長と面会。昼食を共にさせて頂きましたが、うまが合いましたねぇ~。初対面とは思えないほど、人生観や哲学、また政治問題、対隣国に対する日本の在り方、接し方、などなど話が尽きなかった。昼食後に市長とトークショーを行い、夜には再び合流し、フグ鍋を突きながら語りあった。私は愛国者である中村市長の熱い人柄にすっかりと惚れました。これからも連絡を取り合いながら、テーマは日本。一緒に何かが出来るはずだと確信しました。そして私同様に中村時広さんもなんとなんと高校時代に停学になっていたこと。これ、なんとも嬉しい偶然じゃないですか。
中村時広市長と

松山市長・中村時広氏と

 中村市長とのトークショーを終え、夕方から道後公園へ。本日のメーンイベントとなる清掃活動開始。このJTさんの「拾えば街が好きになる運動」は5年前から全国の街で清掃活動を行ってきた。既に90万人の方々が参加。これは一つの企業としては日本最大規模の清掃イベントである。
道後公園での清掃キャンペーン!

道後公園での清掃キャンペーン!

 JTさんのイベントに参加するとよく「野口さんはタバコを吸いますか?」と質問される。もうタバコはやめたが、以前は吸っていた時代がある。あの時代かな?特にあの缶ピースが好きでしたね。ただ、このイベントはタバコを宣伝するものでは決してない。JTさんからすれば自分たちの商品がポイ捨てされているわけで、それはやめてほしいと、タバコを吸うにもマナーがあるのだと、清掃活動を通して伝えていこうとなったわけです。タバコについて私の考えは、あくまでも健康とマナーの問題。健康に関しては、完全に自己責任。ビールやウイスキーだって、飲み過ぎればアル中になる。塩だって摂取しすぎれば高血圧や脳卒中になる可能性が高まる。だからといってアルコールの存在がいけないわけでも、また宣伝をしていけないわけではない。あくまでも自身によるコントロールが求められるもの。くどいかもしれないが、砂糖だってそうだ。好きだからといって永遠と舐め続けたら虫歯にも糖尿病にも肥満にもなるわけです。
隙間からタバコの吸い殻を取り出すのが一苦労

隙間からタバコの吸い殻を取り出すのが一苦労


 次はマナーの問題。タバコを吸わない人の近くで吸うものではない。私もタバコをやめて気がついたのはあの煙の臭いこと臭いこと。新幹線の喫煙車両は絶望的な空間だ。あの空間を行ききしなければならないお弁当売りのお姉さんが実に可哀そうだ。最近ではお寿司屋さんでも禁煙とするお店が多い。これは大歓迎。特にカウンターでの喫煙は極めて迷惑だ。つまりタバコを吸いたかったら、人から離れて吸えばいい。人に迷惑をかけなければそれでいいと思う。そして何よりもポイ捨てしないことだ。

地元の子供たちに清掃活動の意義を話す

地元の子供たちに清掃活動の意義を話す
いやいや、癒される瞬間。女性は神様だ。

いやいや、癒される瞬間。女性は神様だ

 10月10日、この日は同じ県内の「ふたみシーサイド公園」で今度は日本アムウェーさんの海岸清掃イベントに参加。JTさんが全国の町での清掃ならば、アムウェーさんは全国の海岸を清掃している。このアムウェーさんの清掃キャンペーンも実に本格的で集められたゴミの分析を行い最終的には環境省にそれらのデーターが提出される。私以外にも例えばCWニコルさんやモイヤーさんもアムウェーの環境活動に共感し時に一緒に活動を行う。お陰でアムウェーさんの環境シンポジウムになると私の環境仲間が勢ぞろいしたりする。私もこの何年間で日本全国15カ所の海岸で一緒にゴミ清掃を行ってきました。詳しくは私の本「自然と国家と人間と」にも触れていますが、昨年は中国、韓国からも学生などを招待して西表島で清掃を行った。特に漂着ゴミが多い日本の海岸は他国から流れ着くものが多い。したがってゴミを海に流す側にも一緒になってこの問題を取り組もうと企画したものだ。今年はあともう2か所、一緒に海岸清掃させて頂きます。
清掃後、海岸でミニ講演会を行った

清掃後、海岸でミニ講演会を行った

ふたみシーサイド公園にて清掃活動!

ふたみシーサイド公園にて清掃活動! 

海岸清掃を終え、熊本へ移動。ふたみシーサイド公園からタクシーで飛行場に向かったが、なんと空港が閉鎖されているとの情報が入る。欠便?なぜ、もう台風は去っているじゃないか!と、そうしたらなんとなんと、滑走路にセスナ機が胴体着陸。故障かと思いきや、なんとまあ~信じられない事に車輪の出し忘れだって。そんなまぬけなパイロットいるの?トイレに入って用を足すときにズボンを脱ぎ忘れたまま、つまりズボンもパンツも履いたまま、うんちしちゃうようなもの。

 信じがたいねぇ~と呆れ半分、怒り半分、結局、欠便となり、慌ててフェリー乗り場へ。船で広島へ。瀬戸内海を渡るのだが、瀬戸内海に沈むあの夕陽の美しさに車輪出し忘れパイロットへの怒りも何処かに飛び去り、しばし眺めていた。近年、船旅は少なくなってきているから、これはこれで貴重な機会となりました。特に高速道路が無料化していけば幾つものフェリー会社が倒産してしまうかもしれない。何でもかんでも早くあればいいというご時勢、逆に船旅に癒されるもの。夕日を眺めながら日々スケジュールに追われているが、たまにはゆったりと移動するのもいいものだとしみじみと感じていました。
飛行機がフェリーに

飛行機がフェリーに

 日本中を旅していると、こうしてさりげなく出会う風景がなんとも優しくていい。エベレストのように圧倒的な存在感、威圧感はないが、日本の景色はヒマラヤにはない優しさがある。結局、この日は熊本まで行けず広島から新幹線で博多まで。
瀬戸内海の雲

瀬戸内海の雲

 10月11日、朝一の電車で熊本へ。この日も再びJTさんの清掃キャンペーンに参加し、熊本城周辺で清掃活動を行ってきました。夜、東京に戻りましたが、いやはや、移動の連続は疲れますね。講演活動より、清掃活動より、何よりも疲れるのが移動。移動が続くとまるでボディーブローのように堪える。
瀬戸内海に沈む夕日にうっとり

瀬戸内海に沈む夕日にうっとり

 ただ毎年、全国からたくさんの方々が富士山清掃活動に参加してくださる。こうして全国で清掃活動を行うのは私なりの恩返しです。また清掃活動を通じて全国の現場に足を運ぶことも大切なこと。清掃芸者?のゴミ拾いの旅はまだまだ続きます。

おわり

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