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戦争 , 遺骨調査・収集

再び沖縄で遺骨収集

戦争 , 遺骨調査・収集

2010/12/26

再び沖縄で遺骨収集

11月24日、沖縄にて国吉さんと遺骨収集を行ったが、東京に戻ってきてからもあの光景が目に焼きつき、今日もまた国吉さんがツルハシとスコップを手に遺骨を探し一人真っ暗闇の壕の中、黙々と掘っているのかと思うと今すぐにでも沖縄に戻りたいと

藤岡さんと共に
  藤岡さんと共に

1220日、再び沖縄に行くことを決意していた。

 

今回はフィリピンで一緒に遺骨収集を行ってきた仲間の藤岡誉司さんにも声をかけ、事務所のスタッフの小島クンと3人で沖縄入り。


 

壕の中の国吉さん
   壕の中の国吉さん

 
まず訪れたのが沖縄県庁。一つには意見交換。そして沖縄県が国に提案しているのが来年度から「遺骨収集情報センター」設立について。国(厚生労働省)によると沖縄県にて未だ収集されていないご遺骨は約100体。しかし、沖縄県は3000体は越えているだろうとみている。そこで沖縄県が国に提案しているのは遺骨収集を行っている各民間団体を集め「情報センター」を設置し、状況を把握した上で計画的に遺骨収集を行うこと。この取り組みが成功すればそれは素晴らしい。何しろ遺骨収集を民間団体に任せっきりにしていた国には正しい情報がない。まずは状況を把握すること。

 壕から運び出した土砂の中に遺骨が交じっていないかの確認

壕から運び出した土砂の中に遺骨が交じっていないかの確認

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先日、菅総理が硫黄島を視察。そして「遺骨収集は国の責務である」と発言。また「硫黄島以外の地域にまだ残されている遺骨の取り組みも強めたい」と語った。確か私がこの活動を始めた頃は国が遺骨収集(慰霊巡拝含む)事業に充てていた予算は約
3億円。それが今年度は5億円。そして来年度は20億円を概算要求した。硫黄島に関してはこれまで年に4回しか遺骨収集を行ってこなかったが、来年度は厚生省の職員を常駐させ、通年で行うとのこと。これは今までになかった大きな大きな前進でしょう。

 

民主党政権に対し私は厳しい見方をしていますが、ただこの遺骨収集に関しては、この先どうなるのかまだ分かりませんが、私は感謝しています。遺骨収集がこれだけ遅れてきた、また見捨てられてきた事の最大の責任は、長年与党であった自民党にある。

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菅総理が就任後に遺骨収集の「特命チーム」を発足。これに対し自民党の中から「パフォーマンスに過ぎない」「思い付きでは現実問題として遺骨収集は厳しい。途中で放り投げるのでは」といった批判的な意見が出ている。元厚労相だった尾辻氏による発言も含まれていたが、そもそも尾辻氏は厚労相時代に遺骨収集の幕引きを示唆していたのだ。この件に関し、自民党は民主党批判をする資格はない。何しろ戦後、硫黄島に訪れた自民党の首相は小泉氏ただ一人ではなかったか。

 

また菅総理は野党時代から自民党に対し国を挙げて遺骨収集をするべきだと国会の場でも追及してきた。 (平成18年3月27日提出 戦没者遺骨収集に関する質問主意書 提出者 菅直人)

 

それが今回の特命チームに繋がったのだろう。したがって思いつきでもない。ただし、民主党の癖として心配しているのが、自らが宣言した事を実行に移せるのかどうか。いくつも看板倒れした民主党マニフェスト。正直、不安です。

 

私は遺骨収集には必ずしもイデオロギーは必要ないと考えている。国の為に戦い亡くなっていった英霊、また国が始めた戦争によって犠牲になった多くの民間人も含まれているのだ。この活動に自民も民主もない。超党派で国を挙げて行ってほしい。それこそオールジャパンだ。

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 壕の中で不発弾を見つけた
 壕の中で不発弾を見つけた

また遺骨収集を行っていると「野口健は右翼だ」といった意見も実に多く寄せられますが、そんな次元の話でもない。確かに思想やイデオロギーは大切。しかし、強すぎれば時に活動を止めてしまう。「右だ」「左だ」と、それはそれでこだわる人の気持ちも分からないわけではないけれど、執着し過ぎると自らが限界を作ってしまう。遺骨収集には右も左もない。色分けしたがるのは日本人の悪い癖だと思う。

 

反日は別としても、右も左も国や社会を思う気持ちが確かなものならば、時に右手と左手で握り合うのもいいではないか。思想を超えて力を合わせる。大義とはそういうものだと思う。私は国吉さんとたったの二日間ですが、活動を共にしながら改めてそのような事を考えていた。

壕の入口は狭い
 壕の入り口は狭い

 国吉さんによって発見されたご遺骨

 国吉さんによって発見されたご遺骨

薄暗く狭い壕の中に入り、溜まっている水をバケツリレーしながら表に出す。そしてドロドロの土砂を永遠と堀続ける作業はなんとも過酷。それをたった一人で
50年間以上も続けてきた国吉さん。本当に頭が下がる。「どうしてそこまでやれるのですか」と尋ねたら「壕の中は暗闇ですよ。60年以上もずっと暗闇の世界に閉じ込められたんだよ。明るい空を見せてあげたい」と。沖縄戦で母親を亡くした国吉さんの言葉はとても重たかったが、ただそれ以上に迷いのない確かな信念を感じ、その国吉さんの思いが私にも確実に伝わってくるのだった。11月、12月と2回沖縄で遺骨収集を行いましたが、私の頭の中ではもう次が始まっている。次回は2月を予定。

防空壕の中にたまった水をバケツリレーで出す
 防空壕の中にたまった水をバケツリレーで出す


 無数の傷が刻まれた国吉さんのヘルメット

 無数の傷が刻まれた国吉さんのヘルメット

硫黄島での遺骨収集ももちろん大切である。しかし、私は同じように沖縄も大切だと感じている。何故ならば沖縄戦では軍人だけではなく、多くの民間人も犠牲となっている。沖縄戦は本土決戦に向けた時間稼ぎであったとの見方もされている。だとするのならば、まさしく国家の犠牲である。故に硫黄島同様に沖縄での遺骨収集も国家の義務である。

 発見された不発弾

 発見された不発弾

明日からヒマラヤ遠征ですが、帰国したら改めて国に沖縄での遺骨収集の重要性を訴えていきたい。

先月行った沖縄でご遺骨収集に関しては、こちらをご覧下さい。
2010年11月30日 野口健ブログ「沖縄での遺骨収集~まだ戦争は終わってない~」

また、明日、別の視点から見た沖縄について、アップしますので、
ぜひ、ご覧ください。

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