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2011年エベレスト清掃登山 , ヒマラヤ

野口健写真集1~キャラバン~

2011年エベレスト清掃登山 , ヒマラヤ

2011/04/24

野口健写真集1~キャラバン~

1番・エベレスト街道キャラバン開始
エベレスト街道キャラバン開始

2番・キャラバン二日目。この辺りにはまだ命がある
キャラバン二日目。この辺りにはまだ命がある

3番目・昔、ある日本人がエベレスト街道にサクラを植えた
昔、ある日本人がエベレスト街道にサクラを植えた

4番目・ヒマラヤで日本を感じる
ヒマラヤで日本を感じる

5番目・ヒマラヤにも生活がある
ヒマラヤにも生活がある

6番目

7番目・神の世界に一歩一歩近づいていく
神の世界に一歩一歩近づいていく

8番目

9番目


10番目

11番目

12番目

13番目・氷河の世界に近づく
氷河の世界に近づく

14番目・エベレスト・ベースキャンプに到着!
エベレスト・ベースキャンプに到着!

15番目

16番目・自分で自分を撮影
自分で自分を撮影


スタッフの小島クン、カメラマンの平賀さんの二人は僕よりも先にエベレストに向け出発していたので、一人追いかける。エベレスト街道の玄関であるルクラ村からエベレスト・ベースキャンプまでは約10日間のトレッキング。一気に標高を上げれば高山病(低酸素障害)の影響が出るので、少しずつ標高を上げながら体を低酸素にならしていく。あと、これはいつもそうですが、ヒマラヤ遠征出発前は準備に追われたり、あと直前まで仕事をしていたりと、バテバテ状態。今回もまた。だからベースキャンプまでのキャラバン中に規則正しい(早寝早起き)生活をおくり体調を整える。ヒマラヤで日本の疲れを癒す。そ
して少しずつ気持ちをヒマラヤモードに切り替えていくのだ。こんな生活をもうかれこれ約20年繰り返してきた。ヒマラヤ遠征はもう何回目だろうか。45回ぐらいかな。



そして起きまりのパターンはキャラバン二日目ぐらいで決まって風邪をひいて一日は寝込む。今回もまたナムチェバザール村で風邪をひき一日寝込んだ。日本での疲れが一気に出てくるのと、なんだかんだ言って日本での生活はいつも気を張っている。ホッとする瞬間がなかなかない。ネパールに来ちゃえばもうこっちのもんでね、心底ホッとするんだね。この気の緩みで風邪を引いちゃう。いわゆるデトックス効果ってやつです。



今年のヒマラヤ(ネパール)ですが、まだ来たばかりなので何とも言えませんが、ただ、厳しい挑戦になるでしょう。何しろ天候が安定しない。毎日、雲や気流の流れに敏感になりながら生活していますが、空が実に慌ただしく荒々しい。僕に言われたくないかもしれないが落ち着きがない。午前中はまだ青空を見せ一見穏やかですが、午後になればすぐに本性を剥き出しにする。大気もまた生き物です。これから約一カ月半、その生き物と向き合っていかなければならないわけで、生き物であるがゆえに、その日その日によって表情を激しく変えていく。これがまた難しいが、ただ大自然を相手にする冒険の最大の醍醐味かもしれない。これから少しずつヒマラヤの懐に入り込みヒマラヤと会話をしていきたい。ここでは一番大切な事です。それが出来れば何とかなる。出来なければ何ともならない。至ってシンプルなのです。



エベレスト街道キャラバン前半は実にのどかで、花が咲き、子どもたちが走り回り、そこには人々の営みがある。途中のモンジョ村周辺には数十年前に日本人が植えた桜がちょうどこの時期に満開となる。日本から遠く離れたこのヒマラヤで日本を感じる。やはり日本人にとってサクラは特別な存在です。まさに日本人の心なのかもしれない。



そしてキャラバン後半からは乾いた世界。そしてエベレスト・ベースキャンプは氷河。ここまで来るといよいよ。緩んだ気持ちを再び引き締める。そして腹をくくる。人間の心もまたヒマラヤの空と同じく激しい。ヒマラヤとの戦いである前に、自身との戦いであり、また自身との向き合いでもある。さて、今回はどのような人間ドラマが待ち受けているのだろうか。



2011年4月21日 エベレスト・ベースキャンプにて 野口健


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