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産経新聞「直球&曲球」新たなリーダーには覚悟が問われる

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2020/09/10

産経新聞「直球&曲球」新たなリーダーには覚悟が問われる

9月10日、産経新聞「野口健の直球&曲球」が掲載されました。

2020年9月10日掲載 産経新聞
『新たなリーダーには覚悟が問われる』

安倍晋三首相の退陣表明に日本中で激震が走った。7年8カ月の政権の功績は何と言っても長期政権ゆえに長期的なビジョンを描けたことだろう。そのことが外交や安全保障への取り組みにもつながった。特に安保法制への取り組みは1つの内閣を潰してもおかしくないほど、この国ではタブーとされてきたはず。安倍政権でなければ到底なし得なかっただろう。退陣表明後に内閣支持率が上がるのは極めて異例だ。様々(さまざま)な批判にもさらされた安倍首相だが、感謝の念の方がより大きかった証しだろう。ゆっくりと静養していただきたいという国民からのメッセージではないだろうか。

そして自民党総裁選がスタート。その総裁選のあり方が議論を呼んだ。国会議員票を中心にするのか、自民党党員票も加えるのか。野党議員やテレビコメンテーターたちによる「議員票のみでは民意が反映されない」などといった批判的な論調のオンパレード。しかし、冷静になればすぐに分かることだが、あくまでも自民党の総裁選。つまりは自民党の代表を自民党の内部で決めるだけの話だ。そもそも自民党員=民意ではない。

野党議員が自民党の総裁選について「決め方がおかしい」と発言していたが、ならばあなた方は今までどうやって代表を決めてきたのですか、って話になる。文句が言えるとするならば、党費を納めている自民党員ぐらいだろう。

自民党総裁選の後に国会で内閣総理大臣を指名するための首相指名選挙が行われる。国政選挙により選ばれた国民の代表である国会議員による投票がここで行われ、総理大臣が決まる。国民の代表が集まり投票するわけで、これが「民意」である。間接民主制、議会制民主主義の、いわば基礎である。

それでも「民意を大切にしない」「国民の声に耳を傾けない」という声が多いのならば、新たに選出されたリーダーはビジョンを示した上で衆議院の解散を宣言すべきだ。長期政権の後は誰が担っても、いばらの道。新たなリーダーは、その覚悟を示した上で挑んだ方が、より大きな理解を得られるのではないだろうか。

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