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「橋本龍太郎氏への思い」

 この夏は永かった。そしてたまらなく辛い夏だった。橋本派と日本歯科医師会のヤミ献金事件が報道されてから新聞やテレビニュースを見るのがたまらなく苦痛であった。あれだけの報道があり、ついには逮捕者まで出たわけだから、それなりのことがあったのでしょう。橋本龍太郎氏があの事件にどのように関わったのか私にはよく分からない。ただ、私は橋本龍太郎氏があの派閥の会長を辞任されたことに正直ホッとした。何故なら、橋本氏とあの派閥が私にはどうしてもイコールには映らなかったからだ。

 若い後継者が育てば早く譲りたいとのご本人の気持ちを私はいつでも感じていたし、そのように思っていることもよく知っていた。また橋本龍太郎氏と派閥の方向性に大きなギャップを感じていた。「残された政治生命、もっと環境問題をやりたい。」と本音を漏らすこともあった。
 病で倒れる直前までネパールで冷や汗をかきながら、時に食事中に食べたものを戻しながらも、土砂崩れの現場に足を運んでいた。

 橋本氏が支援しているカトマンズの小児科病院に出かけた時の彼の姿が、今でも私の脳裏に焼きついている。体中にチューブを差し込まれた幼児を抱きかかえようとした瞬間に、周りを見回して報道陣がいないと分かると、抱きかかえて目を真っ赤にしていた。それでいながら病院を出るときに報道陣に囲まれるといつものあの無愛想な鉄火面に戻ってしまうのがまた橋本龍太郎氏だった。パフォーマンスとはまったく無縁で、あの勿体ぶったような、時に慇懃無礼な彼独特の表現に、「なんとかならないのかなぁ〜」と疑問に感じたり怒りを感じたことも正直多々あった。

 しかし、私はそんな橋本龍太郎氏が大好きだ。なぜならばいつでも何事に対しても本気だった。あれだけ熱心に勉強し、一生懸命仕事に没頭する人を私は見たことがない。時に命を削ってでもやらなければならないと判断すれば周りの人の反対を押し切って動いた。一匹狼で頑固の橋本龍太郎氏の一般的に知られているイメージとは大きく異なる人間臭い一面を私は何度も目にしてきた。

 彼ほど環境問題に熱心に勉強している政治家はいなかった。私は橋本龍太郎氏と共にこの日本を環境先進国にしたいと願ってきたし、実際に日本の今後の課題についてよく話し合ってきた。それは、これからも同じです。

 橋本龍太郎氏や旧橋本派に対する国民の怒りも当然。私は明日から、ヒマラヤに出かけますが、この時期に日本を離れるのがとても落ち着かない。ヒマラヤで一日も早くこの事件の真相が明らかになる事を心から願っています。心臓で倒れたときといい、今回の事件といい、もうこれ以上、頼むから心配かけさせないでくれ!と龍さんに怒りたい気持ちで一杯です!。

2004年 8月30日 野口健