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「カトマンズのゴミ最終処分場  JICA の挑戦」

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 5月29日、野口はカトマンズ市の運営しているゴミの処分場を見学してきました。

 この処分場は、日本の JICA (国際協力機構)の協力の下、福岡方式と呼ばれることもある準好気性埋立方式を取り入れた埋立処分を行っています。プラスチックや紙類の多い日本のゴミと違い、カトマンズのゴミは 7 割が生ゴミなので、焼却方式でゴミを処理してしまうとコストやダイオキシンなどの様々な面で問題が起きてしまいます。そこで、ゴミを地中に埋め、そこに縦横にパイプを通して空気を入れることで溜まったガスや汚水を抜き、ごみが分解されやすいようにする、準好気性埋立システムが導入されました。現在ある最終処分場は、カトマンズ市内から 300 トン、郊外を入れると 380 トンものゴミが毎日運ばれてきます。そのため、この処分場はあと 3 年もすればいっぱいになり、つぎの処分場へとゴミが運び込まれることになります。なお、このごみの輸送能力強化のため、日本はノンプロジェクト無償資金協力で大型のごみ輸送車の供与も行なっています。

 1980 年代から、ドイツがコンポストを利用したゴミの処理法を導入しようと試みましたが、この時は臭いの問題などで地元住民とのコミュニケーションがうまく行かず、頓挫してしまいました。ドイツの場合、ハード面の整備はしましたが、地元住民への啓蒙活動や技術の養成などを行ってこなかったため、撤退後のネパールには何も残されませんでした。その点 JICA は、学校での環境教育や北九州市でのカウンターパートの研修、地元住民への啓蒙活動を積極的に推し進めており、 JICA 撤退後も運営できるシステム作りを目指しています。

 野口は「エベレストやマナスルの清掃でもそうだったように、地元の参加が最も大切。ごみ焼却施設や最終処分場がなかったネパールでは、ゴミの処分方法が最大の課題であった。 JICA の地道な努力は次に繋がるっていくだろう。この最終処分場も後 3 年で満杯になる。その次をどうするのか。日本政府の継続的な援助(特に技術協力)を期待するが、しかしネパールに限らず発展途上国は援助なれしている。一方的に援助するだけではけっしてネパールのためにはならない。最終的には彼らが自立できるようなシステムにしなければならない。その為にも技術、ソフト面をいかに定着させていくかが今後の大きなテーマだろう。特にゴミなどの環境問題は意識改革が必要。今後とも JICA の活動を応援し、また彼らの活動を伝えていきたい。それにしても現場の世界は大変だ。情熱がなければとてもできない。頭が下がります」と語っていました。