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世界最高峰の清掃活動

ルクラ周辺に捨てられたゴミ。空缶や生ゴミを焼いて放置してあった=1999年12月

7大陸最高峰登頂後、私の次なる目標は世界最高峰の清掃活動とシェルパ基金設立です。まずは何故、清掃活動へと目標が定まったかと申しますと、97年、98年、99年とチベット側、ネパール側と世界最高峰に挑戦しましたが、過去の登山隊が残した残留物が至る所に散乱していました。ゴミが多いという情報は把握していましたが、予想以上のゴミの多さにあ然としました。そして、そのゴミの中には日本隊のゴミが多分に含まれていました。(日本製の食料品の残飯、医薬品、登山装備など)。国際隊に参加していた私には、他国の登山家から日本隊のマナーの悪さを指摘されました。98年には反対側のネパールから世界最高峰に挑戦しましたが、やはり日本隊の残留物を発見し、その一部を回収しました。日本隊以外にもゴミが目立ったのは韓国隊、中国隊、インドネシア隊、ロシア隊等ですが、これらを見てみてもアジアの国々の登山隊のモラルの低さを感じます。欧米諸国の登山家から日本隊について「日本の経済は一流だが、文化、マナーは二流だ」と厳しくお叱りを受けました。これにはショックを受けました。恥ずかしいやら、情けないやら、日本隊のゴミの前には反論さえ出来ないのです。

 この情けない体験からチョモランマ清掃登山隊を組織し、2000年3月〜5月下旬にBC(5200m)〜最終キャンプ(8300m)間の清掃活動を行うこととなりました。以前から日本の山岳関係者の中からチョモランマ・サガルマータのゴミ問題を指摘する声はありましたが、実際に清掃登山隊として直接的な行動を行うのは初めてです。私が思うに、ゴミの量からして1回の清掃活動では到底清掃しきれる規摸ではありません。計画では2000年から2005年の間に毎年清掃隊を現地に派遣し、世界最高峰をチベット側、そしてネパール側からゴミの回収を行います。そしていずれはチョモランマ清掃活動も日本国内グループの活動のみに収まらず、チョモランマを汚してきた他のアジア諸国からも、チョモランマ清掃活動に参加して頂けるよう我々がその環境作りを行いたいと思います。今年2月上旬に韓国を訪れますが、私は日本、韓国、中国の合同チョモランマ清掃登山隊結成に意欲をもっております。

 まずは韓国でチョモランマの環境破壊の現状を声を大にして訴えます。チョモランマは世界最高峰であると同時にアジア大陸最高峰でもあるのです。アジア人の手によって元の美しいチョモランマの姿に戻したいと願います。

2000年1月24日
野口健