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「野口さんの記録は私が壊しますから…。野口さんはもうすぐで過去の人ですよ!」と言うから、こちらも「お前はまだまだ甘いな〜1回で登れるほどチョモランマ甘くないぞ!俺の記録を超えられるならやってみろ!」「失敗もまたいいものだ。俺は3度目の正直で登頂したから、感動的だったんだ。一回で登ってしまったら、なんらストーリがないぞ!」といったあまり意味をなさないやり取りをよくもあきずに毎日バカの1つ覚えのごとく2人で繰り返した。
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“冒険界の王子”らしからぬ、そのラフな服装に「旅の表現者になりたい」と語る、石川君はここチョモランマの石川君となんら変わりがない。力みがない。
北極からアメリカ大陸を縦断し南極までの旅を終えたばかりの彼だが、その旅の間に
「せっかくここまで来たんだ。」
といって寄り道をしながら7大陸最高峰を目指し、ついにチョモランマに王手をかけた。
まずは、早大というところが“落ちこぼれ”の私とは決定的に異なる。
そして私が10年間かけて必死に登ってきた7大陸に旅の寄り道とばかりにさりげなく挑戦してきた彼。
くやしいがその彼の存在に正直かっこよさを感じてしまう。
しかし、“冒険界の王子”とは納得いかない部分もある。実は私も昨年、週間ダイヤモンドで“登山界のプリンス”と紹介され、すっかり“プリンス”が私のお気に入りとなっていたのだ(笑)。
が、「冒険界の王子」こと石川君はその私の呼び名“プリンス”を思いっきり否定し、なんと
「野口さんは山岳会のバカ殿ですよ」
だって…。これにプリンスことわたくし野口健は怒り狂ったが…(笑)。
しかし、王子よ プリンス野口は君を応援している。目的意識のない多くの日本の若者のなかで君は光っている。低迷する大学山岳部の現役部員を始め日本の多くの無気力な若者には彼のような独自の発想そして行動力を参考にしてほしいと思います。
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