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シシャパンマへの道


 9月4日、午前7時カトマンズからチベットとの国境の町、ザンムーへと向かった。

 バスに遠征隊の荷を詰め込み悪路に揺られながら5時間、国境に到着。ここからチベット側から迎えに来ているトラックに荷を積み替えるのだが、村人がその荷を背負うと、バスの前に行列が出来てしまった。ポータとして荷を運べば収入になるということで、それはそれは荷物の取り合い合戦が展開。我々はその迫力に圧倒されっぱなしで、ただただ見ているよりなかった。無事にチベットとの国境越えを果たしたものの、迎えに来ているはずのトラックがいない。待つこと、2時間やっとトラックが迎えに来たが、雨が降っていたので荷台にシートを被せ我々登山隊員とシェルパもそのシートの下に潜り込んだが、排気ガスが入ってきて、呼吸困難どころかガス中毒になりそうになり、めまい、吐き気に襲われた。40分ほどで宿泊地のザンムーに到着したがみなフラフラ。ザンムーは大雨地帯でいつ来ても湿気ジトジト。ホテルの壁もカビだらけ。シーツも枕もカビの匂いで鼻がツーンとしみる。陰気な町なんだな〜 

 9月5日、次の目的地ニャラムに向かおうとするが、ホテル前の道は渋滞で車が動かない。聞けば上のほうで土砂崩れが発生し、道が寸断させているという。復旧作業を行っているとの事だが、我々が乗り込むはずのジープはその土砂崩れ現場の反対側で我々を待っているというので、そのジープまで歩くことになった。

 途中、道が寸断された場所がまるで滝のように水が流れ、しょうがないので靴を脱ぎバシャバシャと渡った。下水道が混じっているんじゃないかと思うような悪臭のする水で途中何度も
「オェっ!」
とした。この中国・ネパール友好道路は友好と名をつけるにはあまりにも酷い状態だ。毎年、ここを通過する時は暗い気持ちにさせられる。

 午後5時ごろ、ザンムー着。3600mほどあるため、やはり寒い。早速ダウンジャケットを取り出した。夜は高山病なのか頭痛に苦しめられた。3600mでの高山病はおそらく過去に経験したことがないだろう。そしてお決まりの下痢。寝られない永い永い夜を過ごした。 9月6日、高所順応のためにザンムーにもう一泊する。朝から頭が痛い。
「う〜ん、テンションが下がっちゃうね〜」
 朝食後、裏山に登った。4000mまで登ったが体がやけに重い。そして厄介な腰痛。2〜3年ぶりの腰痛。おそらく7月下旬から急激に始めた走りこみのせいだろう。なかなかトレーニングできず焦ってしまったのがいけなかったな。初歩的なミス。明日からベースキャンプ。3日間ほどベースキャンプに滞在するので、その間に体調を整えたい。今夜は眠れるかな〜

 
2002年9月6日
野口健