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参議院選挙不出馬について

 昨年の12月中旬から私の参議院選出馬についての報道がありました。
 政治問題で最優先されなければならないのが環境問題だと私は考えています。
 日々、日本全国を飛び回りながら各地で目にする現状になんとかしなければと危機感を強く感じてきました。エベレストの清掃活動は問題提議として行ってきました。エベレストに散乱する過去の日本隊のゴミはまさしく日本社会の縮図。富士山しかりです。

 そんな中、イメージとしての環境問題ではなく、具体的な取り組みを行いたいとのジレンマがずっとありました。「環境行政を動かしたい!」との思いで、私から恩師である橋本龍太郎氏には以前からご相談を致していました。橋本龍太郎氏始め自民党関係者も私の環境への取り組みを最大限理解し共感を示してくれました。

 今夏の参議院選出馬も本気で考えました。批判を承知の上で、あえて自民党の中で環境行政の更なる改革、土建型公共事業から環境型公共事への移行、環境教育の普及、そして自然を守っていくための社会的なルール作りなどを提案し、実現していくのも方法だと考えていました。

 しかし、そのためにはまだまだ私自身の知識も経験も足りません。そして、今の立場でなければ出来ないことも多々あります。また、やり残していることや、解決し、克服しなければならない事もあります。

 私から参議院選への出馬の可能性を打診しておきながらの辞退。自民党にはご迷惑をおかけしました。また最後まで私のやりたい事に耳を傾けてくれたのも政党では自民党だけでした。感謝しています。

 今年は私にとって「都レンジャーYear」。今夏から始まる都レンジャーの生みの親として、また隊長として大きな大きな責任があります。日本の国立公園の保護には大きな問題があります。国立公園を守る環境省のレンジャーはデスクワークに終始し、現場を知らないといっても過言ではありません。

 たとえば小笠原諸島は世界遺産の候補地にも挙げられましたが、国立公園の監督官庁である環境省のレンジャーは一人も常駐していないのが現実です。霞ヶ関にいては現地の事情など分かるはずもありません。私は現場感覚を持つ行政サイドの真のレンジャーを作りたいとずっと感じていました。

 都レンジャーは日本初の地方自治体によるレンジャー制度です。都レンジャーが成功すれば東京都から全国の地方自治体に独自のレンジャー制度が普及するでしょう。ただ、もし失敗すればその反動は大きい。
  やるからには、なにがなんでも成功させなければななりません。自然学校もそうです。今、自分に出来ることを精一杯やること。そしてさらに幅広く環境問題を捉えることが出来るように勉強しなければなりません。そしてその先に、自身が環境行政の舵取りをしなければならない時期がくれば、その時、決断します。

2004年 2月1日 野口健