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2007年7月5日〜9日
バングラディッシュ 首都ダッカ訪問 前編

 バングラディッシュは日本の北海道の約二倍の広さの国(14万4千平方キロメートル)。そこに人口1億4千万人がひしめく。首都ダッカは最高標高9mと低く、人口の約一割が首都に集中している。国土の50%以上が海抜7m以下であり、80%がガンジス川(ヒマラヤが源)・プラマプトラ川(北部チベット高原が源)・メグナ川(ミャンマーのアラカン山脈が源)の氾濫原である。

 7月5日深夜シンガポール経由でダッカに到着。ホテルの出迎えに言われるがまま送迎されるも、到着したホテル名が違う事が判明。現地エージェントのダブルブッキングが原因だった。その為、ホテルの車を呼び寄せ宿泊先へ。時計は既に1時を回っていた。

 7月6日JICAの長次長に面会の為、現地JICA事務所を訪ねる。長次長、海外青年協力隊の林(神奈川県出身)氏、渡具知(沖縄琉球大出身)氏と会いバングラディッシュの洪水や産廃問題等について説明を受ける。昼食をとり、いざ市内の氾濫状況及びゴミ問題の視察へと出かけた。

 川の至る所にレンガを作るための煙突が立っているが雨季は水浸しになり工場の機能は低下する。雨季は5月〜10月まで。ここでの洪水はいわゆる鉄砲水的なものではなく徐々に水位が上がり決壊していくものが多い。

ガブトリー地方のディバリー地区スラムを視察

 道路は洪水による冠水を防ぐ為、少し高めに作られており、川から道路を渡るとそこには広大なスラム街が広がっている。度重なる洪水と雨季の為、水溜りの中で暮らしているといっても過言ではない状況を目の当たりにする。彼等の稼ぎは市内で回収されたゴミからビニール等、リサイクル可能な物を分別後、洗浄して干したものを業者へ売り渡し生計を立てている。値段は1k70タカ(1タカ約17円)、1ヶ月の総収入は約4万タカと決して悪くない。リサイクルされるゴミはサウジアラビアやマレーシアへと運び込まれるらしいが、リサイクルされずに残ったゴミはそのまま川や池に捨てられているのが現状。

 川岸を南下し、産廃の埋立地に出来たというスラム街を訪れた。車から降りた瞬間、鼻に突き刺さる刺激は何とも言えない匂い。歩く地面は少し軟らかく懐かしい踏み心地であったが、これは雪ではなくゴミの上にできた道であった。その瞬間、ゴミを運んでくる男が一人。道端にゴミを捨てるなり、そのゴミの中から再利用できるものを探す女。そしてその出たばかりのゴミに群がる牛たち。ここには一つの循環方社会がある。


 
  川面に目をやると川底から無数の気泡が発生しているのに気づく。この無数のメタンガスはおそらく川底には計り知れないほどの産廃が埋められている事を容易に想像させるものであった。