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隊員レポートZ/ABC〜上部キャンプの日々

エベレストのチベット側、チョモランマでは
ABC(アドバンス・ベースキャンプ)が実質上のベースキャンプのような存在となる
6400mの氷河の上にて
様々なチャレンジが繰り広げられる

生命の基礎である飲み水は
幾百年もの時を越えてそこに存在している
硬い氷河をピッケルで砕くことから始まる

飲み水は氷河を砕いて確保する
飲み水は氷河を砕いて確保する

この標高では、ピッケル一振りで、心拍数が150を越えるのだ
こんな思いで砕かれた氷を
大鍋で溶かして、煮沸して、飲める形になるまでに
既に一時間の時が経過する

日本との生中継
これまでもエベレストBCやマナスルBCからの中継を行ってきたけれど
この高さからの中継は、野口隊としては初めてだ
うまくいくのだろうか・・・
中継テストの日は大雪大荒れの天候で、衛星電波はちっとも安定しなかった
不安がよぎる
それでも、強運の持ち主、健さんとのコラボレーションで失敗などありえないのだ
ABCからの二回の生中継は
晴天のなかのチョモランマに見守られて、無事成功!
ただし、あまりの寒さに
体調を崩し気味だった健さんは相当つらかった様子(写真をご覧ください、カメのようでしょ?)

 


中継を待つ健さん、とても寒くて体調悪し中継を待つ健さん、とても寒くて体調悪し
中継を待つ健さん、とても寒くて体調悪し中継を待つ健さん、とても寒くて体調悪し

 

生中継の模様

生中継の模様

このABCにて
高所登山者たちのDNA研究をしている医療チームがいた
エベレストのネパール側には400人規模の医療チームが遠征隊を組んでいるとの事だが
こちらのチベット側には、ノルウェー人医師(若い男性)一人
各隊を回って、口腔内の唾液を採取して
イギリスの医療研究グループでの研究材料にするのだそうだ
高所登山をする人のDNAが、他の人と違うのかどうか??
とても興味深いところだ

7000mなのに素手で無線交信する健さん
メディカルサンプリングに協力

さて、こんなABCでの生活をクリアしながら
上部キャンプへと出かけなければならない
チョモランマ登頂への前進キャンプは、
7050mのC1(一般に『ノースコル』という/ネパール側には『サウスコル』がある)
7700mのC2
8300mのC3(これが『最終キャンプ』または『アタックキャンプ』と呼ばれる)

当然、登るにつれて酸素は薄く、凍てつく寒さだ
カメラを構える淳くん、ある時は吹雪にまみれ、ある時は絶壁の雪の斜面で
私なんか、登っているだけで寒くてたまらない

7000mなのに素手で無線交信する健さん
7000mなのに素手で無線交信する健さん

体温の高い健さんは、なんと7000mでも素手で無線機を手にしている
信じられない・・・・
全く世の中にはいろんな人がいるものだ

今日は我が隊のシェルパ兄弟が頂上へ向かった
世界中の国旗をジャケットに縫いつけて平和を世界のてっぺんに運んだ兄と
初めてのエベレストに『夢だから』と挑戦する18歳の弟
心配でたまらなかったけど
頂上から元気な無線が入った
『ハイハーイ、健サーン、ティクツァ(元気だよ)!』っていつもの調子
笑っちゃったけど、安心して涙が出た
健さんの周りにはいつもいろんなチャレンジャーが集うものだね

2007年5月8日チョモランマ・ベースキャンプにて谷口けい