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野口健からのメッセージ

 
「サマ村大清掃!」




 
ベースキャンプから下りホッとしたのも束の間。翌日(5月14日)からサマ村大清掃スタート。清掃活動には村人約200人が集まった。まず清掃活動前に村人とのミーティングが行われたが、これまた驚いた事に「ゴミ焼却所がない。各村人から毎月200〜300ルピーを招集してゴミ焼却所を作ったりするゴミ処理費に充てようじゃないか」「川の遠くに公衆トイレを設置しよう」などと村人の方から多数の意見が出された。3年前はゴミ清掃の意味も理解していなかった村人が今ではゴミ処理の具体的な方法、またルール作りに乗り出しているのだ。大きな大きな進歩ではないか。



 そして何よりも嬉しかったのが子ども達だ。大人以上に一生懸命拾ってくれる。基本的には大人たちは目立つゴミを拾いたがるが子供たちは岩の陰に隠れていていかにも拾いにくそうなゴミを見つけては潜って引っ張り出してくれる。その徹底ぶりにアッパレ!学校の先生も「子供たちがゴミを拾うことで大人たちが動く。ゴミに無頓着であった大人たちが変わってきた」と子供たちの行動力、また影響力に驚いているようであった。



  3時間ほどで3トン以上のゴミを回収した。ごみ回収量にも満足させられたが、それ以上に村人の変化を目の当たりにし、これからのサマ村の将来に大きな希望を抱けたことがなによりもの収穫であった。私に出来る事は限られている。しかし、彼ら自らが動けば私の存在などどうでもいい。私は絶えずきっかけでありたい。残念ながらマナスル登頂はならなかったが、しかし、村人のアクションに疲れた心はしっかりと満たされていた。彼らのアクションは私にとって大きなプレゼントとなった。


この活動、富士山でもそうだが、反響があるから続くのだ。これが一人ぼっちでは孤独でしかたがない。仲間の輪が広がるからこそ持続していける。我々の投げかけに応えてくれたサマ村の仲間たちとこれからも一緒に一歩ずつ歩んでいきたい。

2009年5月14日 サマ村にて  野口健