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野口健からのメッセージ

 
日本にとって誰が必要なのか〜衆院選から思うこと〜


  フィリピン帰国翌日から今日まで選挙応援演説のため既に、大阪、神戸、神奈川、埼玉、東京と飛び回っている。明日は大阪で自分の講演活動後に姫路と京都で応援演説。ご遺骨シンポジウムや自分の講演会の合間をぬって行っているのでよくまあ〜よくこれだけ移動できるものだと我ながら感心。フィリピンから帰国したそのよく翌日から関東、関西、中国地方と飛び歩いているのだからまだ一度も帰宅していない。

 候補者の方々とは街頭演説や桃太郎(商店街などを歩きながら握手したり演説したりすること)を行ってきましたが、まあ〜とにかく自民党に対する逆風は凄まじい。人々の自民党に対するうっ憤が今にも噴火しそうな雰囲気が漂っており、自民党候補者は本当に大変でしょう。

 私が応援に回っているのは環境問題や遺骨収集問題で具体的にお世話になった先生方です。主に環境問題では小池百合子元環境大臣、鴨下一郎前環境大臣、山際大志郎さん、北川知克さん、盛山正仁さんなど。また遺骨問題では空援隊の議員顧問団の会長である小島敏夫さんや戸井田とおるさん、泉ケンタさんなど。実際に私がお世話になった方々ばかり。

 さんざんお世話になってきたのだから選挙の時に応援演説を行うのは仁義の問題です。
 

 選挙になると得てして「やれ自民党だ!」とか「民主党だ!」となりやすいが、私は正直それに疲れる。確かに選挙とは政権選択が国民に求められるのだから、特に二大政党化していけばその要素も高まるのでしょうが、しかし私は政党を見ると同時にそれ以上に候補者個人を見たい。日本にとって誰が必要なのか、まさにそこだと思う。

 だって日本には与党も野党も両方必要なわけで、特に二大政党となり、アメリカのようによく入れ替わるようになるのならば、どちらにも確かな政権担当能力が求められるわけですから、どちらの党にもまともな議員が必要となる。だから私は候補者に目もくれないで「やれ自民党だ!」「やれ!民主党だ!」といったブームによって大きく左右される最近の選挙事情に違和感を覚える。

 先日、関西で自民党候補者への応援演説を行っていたら「お前は自民党か!」と野次られたので「いえ、私は自民党員ではないので自民党ではありません。私は私です。」と答えましたがこれが本音なんです。

 今日は自民党候補の小池百合子さん(小池さんは三日連続)や鴨下一郎さんの応援演説を行いましたが、明日は京都で民主党候補者の泉ケンタさんの応援演説を行う。

 なかには「自民党の候補者を応援しながら、次の日に民主党の候補者を応援するとは節操がない!」「そんなの聞いた事がない!」「前代未聞だ!」などといった意見が複数寄せられましたが、なにが節操ないのか、私には分からない。私は人になんと言われようがこのスタンスを変えるつもりはない。

 だってどっちも必要なんだもん。富士山の清掃活動でも自民党の先生や民主党の先生方と一緒になって活動を行ってきたし、遺骨収集ではそれこそ空援隊の議員顧問団には共産党を除くほぼ全ての党から約40人の先生方が入っている。今までだって我々は何度も自民党、民主党、公明党、社民党の先生方と席を並べ同じ目標に向かって協議をしたり、ご遺骨を日本に戻そうと共同記者会見を開いてきました。

 明日(8月26日)応援演説する泉ケンタさんは昨年、一緒にあの灼熱地獄のフィリピンのジャングルで遺骨調査を行った仲間です。小池百合子さんは富士山で一緒にごみと戦った仲間です。それを「お前は自民党の応援をするのか、それとも民主党か!」と言われてもそれは乱暴でしょうに、それこそ節操無いと私は思います。

 「日本にとって誰が必要なのか」、私はそのポイントに敏感でありたい。仮に小池百合子さんが民主党候補だったとしても私は関係なく応援します。これ、変ですか?私の感覚がずれている?

 前回の郵政解散辺りから極端な風が吹くようになりましたが、どうなんでしょうか。前回は例えカカシでも自民党候補なら当選しただろうと言われ、今回は民主党がそうなりそう。「何をやってきたのか」、「これから何をやりたいのか」、実績と今後のビジョン、まさにポイントはそこでしょうに。

 偉そうに意見させて頂きましたが、候補者個人に関心を待たずその時に吹いた風のままに有権者が判断を下すという事態がこのまま定着してしまえば、今後まともな政治家が育つわけがない。また地道に取り組んできた事がまったく評価されない社会になってしまえば、それこそ日本丸が傾いてしまう。

 日本人は流されやすいのかもしれない。だとするならばその時々の風に影響されやすい小選挙区制度は日本人には馴染まないのかもしれない。

 そもそも環境問題には国境がないわけで、それが国内の細かな政局によって振り回されてはならない。遺骨問題とて同じ。したがってこれからも私は政党問わず様々な政治家と連携しながら、確実にアクションを起こしていきたい。

8月25日 野口健