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野口健からのメッセージ
 

 
「長野県・小諸市にて森林教室!」

 
  富士山から長野県小諸市へ移動。9月27〜30日まで小諸市で野口健環境大使賞の授賞式、講演会、そしてメインの小学5年生を対象とした森林教室を行った。小諸市では4年前に小学校(義務教育)の授業の中で現場型環境教育をやろうと芹澤市長と共に「森林再生プロジェクト5カ年計画」を発表。小諸市には小学校6校あり、いまでは全ての小学校の5年生(600人強)と一緒に森作りを行っている。具体的には子どもたちに間伐体験などをさせている。

 市が直接、教育委員会や教育現場に呼びかけて環境教育をプログラムに入れたのは全国で小諸市が初めて。私がいつもやっている野口健環境学校は夏休みなどの学校が休みの日に開催しているが、自身で申し込んでくるわけだからそもそも環境問題に関心がある子どもが多い。まあ〜それはそれでいいとして、しかし、環境問題は全ての子どもにも関係してくるわけで、興味があろうがなかろうが、国語、算数、社会といった科目同様に教え伝えていかなければならないだろう。

 そのために方々の教育委員会などに「現場型環境教育をやらせて頂けないか」と提案してきたが、部外者に対しなかなか門が開くことはなかった。ちょうどそのタイミングで芹澤市長から「小諸市を環境都市にしたい。力を貸してほしい」との要望があり、それでは引き受ける条件として「市長が教育委員会を説得して市内の小学校で環境教育をさせて頂きたい」と生意気ながら注文をつけさせて頂いたのが事の経緯です。それから芹澤市長は教育委員会や学校に直接働きかけ紆余曲折ありながらもスタートしたのだ。

 
  最初の年は6校中4校が参加。この森林教室は地元メディアも大きく取り上げ話題となった。参加しなかった学校の親たちからは「なぜ、うちの子供たちは参加できないのか」といった声があがったそうだ。それらの結果、2年目からは6校中6校全てが参加。嬉しい広がりではないですか。

 毎年やっていて思うんですが、朝、体育館で集合したときはなんとなく眠たそうな顔をしている子ども達が一歩森に入ると途端に表情がキラキラする。これは理屈じゃないんだなぁ〜。どんなに頑張って子ども達に話しかけ、接してみても、自然の魅力、力には勝てないんだね。

 最近の子ども達は自然と触れ合うきっかけがないだけで、いざ自然の中に入ると生き生きする。そして解散の時に「また森に来たい人は?」と問いかければほぼ全ての子どもたちが「ハーイ」と元気に手をあげる。環境問題は現場感覚がなによりも大切。そして自然が好きだから守りたいとなればそれが本来の姿で、知識だけの環境問題を詰め込んでもあの年号の暗記ばかりであった歴史の授業みたいに退屈するだけだ。

野口健環境大使賞授賞式にて

このような機会を子ども達に与えてくださった芹澤市長や教育委員会、そして各学校の先生方には心から感謝しています。この現場型環境教育(義務教育の中で)はまだまだレアケースですが、小諸で成功すれば1つのモデルケースとして全国に普及していくだろうと、そんな期待と夢を抱きながらまた来年も頑張りたい。

 それにしても連日の雨で森の中は寒かった。鼻水がズルズル。風邪を引きました・・・。温室育ちのアルピニストはとてもデリケート。明日は群馬で講演し、東京にとんぼ返りしてから夜の便で北海道へ。明後日は釧路湿原を歩き、明々後日は釧路市内で講演です。以前から釧路湿原は是非とも訪れてみたい所であったのでとても楽しみ。それまでに風邪を治さないと。ではお休みなさい