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「環境破壊に苦しむカトマンズ」


一年ぶりのカトマンズ。乾季とあって埃と砂埃。そして急激な人口増加と共に車の渋滞やごみ問題が深刻なカトマンズ。そして慢性的な電力不足によりカトマンズ市内は1日14時間の停電が続いている。カトマンズ在住の日本人の方が「野口さん、ネパールは水も電気も安全も国は用意してくれません。全部自分たちで用意するのです。ですからネパール人は逞しいですよ(笑)」と話していましたが、年々状況が悪化していくことがよく分かる。



相変わらずの渋滞

明日からのトレッキングの準備をシェルパたちとする

カトマンズ市内を流れている川はゴミ捨て場となっている。また工場などから汚染された排水がそのまま川に流されていく。水はまるで墨汁のように真っ黒くなり底はヘドロ。近づくとあまりの異臭に吐きそうになる。その川の水で衣服を洗い水浴びしている子どもたち。ゾッとさせられる光景にしばし言葉を失います。30年前にはこの川の水は綺麗に透き通っていて泳いでいる魚の姿が橋の上からも見えたとのこと。とても信じられない。

ヒマラヤから水が流れカトマンズからインド、バングラディシュへと水は下流へと流れていきますが、最も上流のネパールがこの状況ならば最終地点であるバングラディシュはどうなってしまっているのか。2007年、2008年と現地バングラディユに足を運びましたが、想像を遥かに超える悲惨な状況でした。川の至る所からメタンガスが泡となって水面を覆っていた。

ひどい惨状のカトマンズ市内の川

洪水のたびに汚染された汚水が井戸に混じり、その井戸水を飲む地元民が下痢、赤痢に苦しめられている。水の問題は実に深刻です。一体全体どこから手をつけていいのか、いやはや、考えただけでも迷路に迷い込む。

明日からヒマラヤ登山へと向けキャラバンが開始します。山岳地帯に入れば空気も水も綺麗なのでホッとします。

2010年4月2日 カトマンズにて