富士山から日本を変える
野口健からのメッセージ
野口健ニュース
野口健からのビデオメッセージ
野口健ブログ
掲示板
プロフィール
フォトギャラリー
七大陸制覇まで
講演会の依頼について
雑誌・テレビ出演情報
書籍・ビデオ
サイトマップ
野口健ドキュメント

筑紫哲也氏との対談

 2004年6月20日、富山県魚津市の「森のゆめ市民大学」にて野口健と筑紫哲也氏の対談が開催された。「森のゆめ市民大学」は、閉校となった大学の跡地の有効利用を思案していた数名の市民の呼びかけによって、作り上げられた市民大学で2002年6月に開校。学長は筑紫哲也氏。今回、ゲストとして野口が招聘され、基調講演の後、筑紫氏と環境問題をテーマに対談が行われた。


 対談では、温暖化問題、エコツーリズム、レンジャー制度、国立公園の保護と活用など幅広いテーマで環境問題について議論が交わされたが、特に野口が興味を示していたのが「右翼と左翼」に関する議論であった。

 冒頭に筑紫氏は、富士山に4階建ての駐車場を作るという計画が持ち上がった際に、その裏側に様々な思惑が絡み合っていたこともあり、番組で糾弾したエピソードをあげた。そして、日本の象徴である富士山が窮地に立っているときに右翼が黙っているということはどういうことだろうか、本来は右翼は自国の国土に対して非常に敏感であるものではないのか、という持論を展開した。

 すかさず野口も、エベレスト清掃登山でシェルパが亡くなった際に、それでもシェルパが「俺達は続けたい。ネパールが好きだ」と訴えたエピソードをあげつつ、「環境保護は愛国心がなければできない」と述べた。

 また野口が、アメリカの国立公園ではレンジャーが柱となり、NPO団体を始めとする様々な団体がうまく機能している例をあげた上で、「日本のNPO団体は柱がないから、バラバラで、ときには対立さえも起こってしまい、もったいない」と述べた。

 それを受けて筑紫氏は、過去の左翼団体にも本来の目的からずれが生じ、内ゲバが多発したことをあげ、内部対立の危険性がNPO、NGOにもあるという認識を示した。その上で、自分達は良いことをしているという自己過信の怖さに触れた。

 野口も「極端な環境保護団体は原理主義的な怖さがある。僕は環境問題は所詮、人間のための環境問題だと捉えている。極端なことを言えば地球のための環境問題ということであれば、人間はいなくなった方が良い。私達は生きていかなければならないわけで、環境問題はバランス感覚が大事だと思う。そうでなければ現実的な改善は図れないと思う」と持論を展開して、会場は大いに盛り上がった。

 最後に野口は「都レンジャーが成功すれば自分達の自然は自分達で守るという流れが全国に広がる。そのためには世の中に伝えないといけない。そのために是非とも『ニュース23』で取り上げていただきたい」とアピールした。


2004年6月28日
文責:小林元喜