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6月4日
■清掃登山を終えて

 5月30日、待ちに待った帰国!約2ヶ月間、ひたすらに永かった。昨年のような山頂タックとはまた違った疲れを感じた。22人のシェルパ達を無事に清掃活動後ネパールへ帰さなければならない。シェルパ達に無理させるわけにもいかず、指示を出す言葉にも1つ1つ気をつけた。2人の死者をだした今年のチョモランマであったが、幸いな事に野口隊は皆無事であった。そのシェルパ達の活躍もあり、約1・5トンのゴミの回収に成功し、清掃活動としては大成功であった。疲れも感じたが、それ以上に今となっては来年の第二次清掃隊結成へと意欲がかきたてられる。

 次なる活動は世界最高峰であると同時にアジア大陸最高峰でもあるチョモランマをアジア人の手によって元の美しい姿に戻すべく来季は、アジア諸国の登山家による国際清掃登山隊結成(日本・中国・北朝鮮・韓国・台湾・パキスタン)を目指す。日本国内の山岳関係者のごく一部であろうが、私の清掃活動に対して不服なのか疑問があるのか、摩擦をおこしている。この度のチョモランマ清掃活動では在日中国大使館から、また現地のチベット登山協会、チベット自治区体育協会会長から、また、ベースキャンプでは大半の登山隊まで、皆が活動内容を理解され非常に協力的であり、友好的であった。地球環境問題への取り組みは世界の流れである。日本国内で無意味な摩擦を起こす意味合いも必要性も絶無であり、エネルギーの浪費でしかない。また、日本隊のみでチョモランマ清掃活動を行うよりも、この活動をより幅広くその影響力を反映させるために国際清掃隊結成に私は大きな意味合いや役割を感じる。その国際隊実現のため、各国への呼びかけ、また直接出向き活動の主旨を説明する事となるだろう。

 特に私が注目し、参加される事に期待しているのが北朝鮮。登山活動や地球環境問題の一環として取り組むチョモランマ清掃登山隊に共に参加し、活動を行い、スポーツを通して交流できれば、両国間の友好的役割を民間レベルの枠内として果たせるだろう。是非、機会があれば北朝鮮へと訪れたいと切に願う。

 世界初のチョモランマ清掃隊はひとまず成功したが、これに満足する事なく、今年がゴミ回収量が1・5トンならば、来季は2トン以上の回収を掲げ、その達成と、チョモランマ清掃隊が国際親善の場となれるよう努力を惜しまず環境を整えたいと強く決意するものである。

 チョモランマでは、毎日新聞の平井桂月さんが皆さんからのお便りをベースキャンプへメールで送信して下さいました。遠征中、不安な時期も正直ありましたが、皆さんのメッセージがどれほどに心の支えになったでしょうか。これから、お返事を書かせて頂きます。本当にどうも有難うございました。まだまだ、頑張りますので、これからも応援宜しくお願い致します。

2000年6月4日
野口健