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4月14日
■明日、ラサに向けて出発します(下)

 ◇激化する”記録”競争


シャンボチェで高度順化
 エベレストのBCに訪れた時、私は一抹の不安を感じた。込み合うBCを眺めながら、これは事故が起こるなと縁起でもないことを感じた。一本しかないルートに登山者が殺到すれば当然移動に時間がかかる。それが一刻を争う山頂アタックとなれば命が危険にさらされる。95年の春、エベレストで大量遭難という事故が起きたが、あのときも山頂直下では登山者による渋滞がおきていた。悪天候の中、進むに進めずバタバタと登山者は命を落とした。日本人女性の難波さんが亡くなるという悲しい事故であった。なんとなくBCを眺めながらそんな事を思ってしまった。

 そして、激化する山頂までの短時間登頂記録への挑戦がまた今年も行われる。98年にパサンカジというシェルパがBC〜エベレストの山頂まで20時間20分で到達し新記録を作った。それに対して今年はバブツェリンというこれもまたシェルパが今度は16時間で、しかも無酸素でパサンカジの記録を抜くという。一体どこまでいっちゃうんだ。そして14歳のシェルパの少年も最年少記録を目指してエベレストに挑戦するそうだ。ネパール人女性のみの遠征隊もあり今年は話題が多そうだ。

 そしてもう1つショックを受けたのがNHKのラジオから流れてきた小渕総理の病による政権交代である。日本の景気も回復の兆しをみせこれからという時に小渕総理が倒れられた。冷めたピザなどとアメリカのマスコミは全く無礼に書きたてたが、我慢強く激務に励んでこられたように思う。政治の世界は一歩先が闇だと言われるが、それにしても晴天のへきれきであった。無事回復され政治家として再び日本国の為に活躍されることを切に願った。

 ◇現地報告を楽しみに

 14日間のトレッキングを終え、盲腸の影響もなく無事にカトマンズに戻ってきた。カトマンズで14日まで準備と休養し4月15日にチベットのラサに飛行機で入り、チョモランマのBCには4月21日に到着予定。清掃活動は24日から上部キャンプへ移動が始まり、ゴミの多い6500メートルから8300メートルの最終キャンプ地までの間を清掃する。清掃活動の終了は5月25日、日本帰国は5月31日。

 正直、8000メートル付近の清掃には自信がないが、私としても山頂を目指さない登山、清掃登山,すべてが新しい挑戦である。最初から自信があるわけないじゃないかと、いつだって初めての試みには不安が付きまとうものだ。ただ、結果ばかりを考えてしまい慎重になりすぎ何も出来なくなったり、そもそも行動力の乏しさゆえに行動に出せなかったりするのがなによりも哀れである。よく大きな事を口に出しながらなにも実行しない人がいるが見ていると惨めさ、精神的貧しさがにじみ出ている。私はとにかく行動に移した。後は自分と自分のスタッフを信じて精一杯頑張れば大丈夫。こんな私でもなにか出来ることがある。

 私にはサクラという1歳の女の子がいる。ラブラドル犬であるが、彼女はいま訓練学校に入っている。いつも私と一緒にベットで寝ているほど甘えん坊だから、毎日のようにしごかれる訓練学校はさぞかし苦痛だろう。彼女も私が帰国するまで必死に苦痛に耐えながら訓練に励んでいるだろうから私も頑張らなきゃ!それでは15日からチベットに向かいます。これに懲りずまたこのページを開いてください。

 野口隊情報

 クライミングシェルパは22人 シェルパ頭はダワタシ・シェルパ
 クックは2人 メインクックはペンバ−・シェルパ キッチンボーイは2人
 デンディー・シェルパとジェタ・タマン 現地スタッフは計26人

 追記

 私ごとですがこの4月から青森大学大学院 環境科学研究科 環境教育専攻に入学しました。これまでは行動ばかりで知識のほうが追いついていません。今年〜2005年までエベレストや富士山などの清掃活動を行いながら、同時に青森大学に通い環境問題、自然環境と子供の教育について学びたいと思います。亜細亜大学も卒業まで8年間かかりました。青森大学大学院も2年のところを4年かけてでもしっかりと専門知識を学び卒業したいと思います。「落ちこぼれて大学院生」も悪くないでしょ!