３日間、ラサで滞在したのち、シガツェへと移動した。ラサからジープで約６時間揺られ、広大なチベット高原をひたすら走った。車内ではチベット人女性の「太陽」を中心に話題に花が咲き、６時間もあっという間であった。ただ、だれが彼女の隣に座るかで、どことなしか野口、村口、岡田の３人からは殺気立つもが感じられ、結局私、野口健がその権利を頂戴した。苦痛なはずのガタガタ道も今回ばかりは好都合であった。シガツェでも２泊し、ラサで覚えてしまった快楽から抜けられなかったのか２晩ともディスコ通いとなった。「太陽」ともチークダンスを踊り、幸せこの上なかった。チベット入りしてから毎夜の５日連続してのディスコには、正直体に堪えたが、それでも精神的にはとても健康であった。時には大いに踊り、歌い、笑う。それが、人生の醍醐味であり、人間らしい生き方だと私は思う。