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3日間の休養は天国だったのに・・・

ベースキャンプのテントで読む本の一部
ベースキャンプに持ってきた音楽CD
ラジオを聞いている時の再現写真(!?)

 この3日間はノンビリ過ごした。朝から氷河を眺めながら、日本から持ち込んだお菓子をぼりぼり食べ、食べ過ぎたと思ったら、しっかりと胃薬も同時に飲み込み、暇になれば本でも読み、テントの中でごろごろと寝転がり、一人の世界を満喫した。歩かないですむ幸せ。

怠惰な生活がたまらなく贅沢に感じられ、
「いつまでもこんな生活が続けばいいな〜」
と本気で思ったりした。夜になればいつものように、アイスフォールが崩壊する爆音に目を覚ますが、
「俺には関係ないもんね〜」
とたかだか3日間の休養なのに、強気になってしまう。26日からまたビビリながらアイスフォールを超えるくせに・・・。

  でもそんなノンビリムードはなかなか続かなかった。ラジオから聞こえてくるNHKの「ラジオにっほん」の国際放送が伝える日本のニュースの情けなさ。政治家の不祥事ばかり・・・。加藤幸一氏や、鈴木宗雄氏、辻本さん、そして元参議院委員長のなんとかさん等々、くだらない不祥事に世間が振り回され、国民の目は、小泉さんが必死にやろうとしている改革に目が向かわなくなっている。

 遠く離れたこのエベレストから見えてくる日本丸は実に頼りなさげで心配だ。
辻本さんと同様の疑惑をもたれている元外務大臣のおば様は、その疑惑を追及されれば、
「小泉さんや、山崎さんの疑惑追求が先でしょう」
と開き直り、居座るつもりなのか、僕には彼女の精神構造がよく分からない。あれだけ、外務官僚の疑惑追求に燃え、次官の首を切り、疑惑追求に張り切っていた元外務大臣が今度はご自身の疑惑に対しては、他人の疑惑を持ち出し、そのまま自身の疑惑を明らかにしないまま逃げてしまうつもりなのか・・・。彼女に哲学はないのだろうか・・・。

 昨年、チョモランマのベースキャンプで小泉政権の誕生を知り、その直後の晴天の霹靂が、あのおば様外務大臣の誕生であった。ラジオから流れる彼女の声に耳を疑った。すぐに、ホームページで「小泉氏の失敗」などとチョモランマ清掃には関係ないと知りつつも、じっとしていられず、書いてしまった。帰国後に、
「お前はエベレストにいて田中真紀子ブームを知らないからそのような事を書けるんだ!」
と方々で叱られた。しかし、僕は、あのヒステリックなおば様は外務大臣じゃないだろうと、どちらかといえば、批判専門の野党の党首であり、それこそ土井さんと一緒にがんばれば!と思っていたから、帰国後もテレビでコメンテータを頼まれたときにも、同様のコメントをしたら、またまた、あちらこちらから叱られた。

  ブームは怖い。そして、彼女が外務大臣を更迭されれば、あれだけ人気のあった小泉氏の支持率はいきなり低空飛行。あれだけ、小泉さんを熱狂的に指示しながら、ちょっとしたことで、こうも簡単に応援している人を裏切ってしまっていいのだろうか。人を応援するということは、その人がつまずき、傷ついた時にパッと散ることではないだろう。

 僕はある方の影響で、自分の進むべき道が見つかった。心底、その方を尊敬している。だから、僕はその方が仮にいかなる状況にあろうとも、応援したいし、最後までお供したい。共にリスクを背負ってこそ、応援じゃないだろうか。

せっかくの、ベースキャンプオフであるのに、僕の血圧は一気に上がり、一人じゃ我慢ならないので、スタッフに
「日本の政治は一体、どうなっているんだ!」
と意見すれば、
「また〜!?」
とばかりに呆れられた。確かに、ここはエベレスト。しかし、このエベレストの地で僕は日本丸のことが気になってしかたがない。あ〜あ〜ラジオなんか聞かなければ良かった。

2002年4月23日
ベースキャンプより 野口健