奄美大島入りしてから雨・雨・雨。実は私、雨男なのです。おかげで私が行っている野口健環境学校もいつも生徒たちにはいつも申し訳ないなぁ~と思うほど雨ばかり。ヒマラヤ登山も私が行くたびに異常気象と言われるほど荒れる事が多い。あの富士山清掃活動も大雨でゴミが流されたこともあったほど。したがってこの奄美大島も例外でなかった。
大雨の金作原生林で一気に滝が誕生
奄美大島入りしてからまずサトウキビから黒糖を作る工場へ。サトウキビというやつは機械でゴリゴリと絞るとあんなにジューとジュースが出るとは思わなかった。そのジュースの水分を飛ばすとお馴染みの黒糖の塊になる。極めてシンプルですが、固まる前のまだ熱々のドロドロになっている黒糖を舐めてみましたが、濃くて美味しかった。固まる前のあの熱々黒糖こそ商品になるんじゃないかなぁ~と。提供するのが難しいとは思いますが、なんとも美味しかった。
甘いパパイヤはカタツムリにとっても大好物
黒岩さんのお友達、ダイビングショップオーナー藤田竜志さんと。マグロの養殖現場を見に行きました
初日はフェリーに乗って加計呂麻島に渡るのですが、夕方のフェリーなので時間調整のため雨の中、ジャングルへ。いつも感じるのですが、南国のジャングルの生き物は生命力が強い。西表島や屋久島も同じでしたが、土壌が少ないので台風に倒されないように力強く、まるで人間の指のようにグッとつかんでいる。そして限られた日光の光を奪い合うように時に木が木を絞殺す。日光の奪い合いである。何降り構わず、何が何でも生き延びてやるのだ、といった弱肉強食の世界。
世界最大のシダが生い茂る金作原原生林にて
それは栄養たっぷりな腐葉土に恵まれたあの優雅なブナの原生林を抱えている白神山地とは明らかに違う姿だ。クマが生息できる森とは恵みの森。私は毎年決まって白神山地に訪れマタギの工藤光治さんと白神山地を歩き森の恵みを感じてきた。
人もそうであるように、森もおかれた状況によって性格が大きく異なる。その違いを感じるのも旅の醍醐味かもしれない。それにしてもあるリュウキュウアサギマダラと呼ばれるチョウがゆらりとゆらりとまるで踊っているかのように飛んでいる姿はなんとも可愛らしかった。
夜、加計呂麻島に着いた時は前が見えないほどのどしゃ雨。タクシーで「民宿ゆきむら」に向かうのだけれど、前が見えないほどの雨。この宿は一元さんお断りとのことで、事実上一組貸切のような民宿。黒岩さんの加計呂麻島での定宿。驚いた事に木造建築のこの民宿をご主人の行村さんが自分で設計し1から建てたとのこと。本人はお役所勤めしているとのことですが、建築などの知識は全て独学。その凄さにハァ~と溜め息。
そして夜は宴会ですが、またまた驚く事にこの嵐の中、奄美大島から黒岩さんの友達の藤田さんが自分の船を操ってわざわざ加計呂島に会いに海を渡ってきた。元学生横綱だけあって立派な体格。また一人濃いメンバーが増えた。
この宴会、実に盛り上がった。行村さんが滅多にやらない一発芸があると、小さめのタオルと取り出し箸にグルグルと巻き何をやっているのかと、ジッと見ていたら、このタオルが即席の人形となり、皆の歌に合わせてクネクネと色っぽく踊るのだ。首をクネクネとしながら腰を振ってみたり、実に色っぽい。私はこのタオルに恋してしまった。その行村さんの一発芸に素早く反応した山際大志郎さんが私にも伝授してくださいと弟子入り。それに合わせながら皆でまた歌う。そして今度は山際さんが人形を操るのだが、動きがカクカクしていてちっとも色っぽくない。ただ、皆で腹抱えて倒れるように笑い続けた。
行村さんの一発芸
気をよくした行村さんが取っておきの長期熟成の焼酎を飲もうと、女将さんが留守にしている間に蔵からこっそりと持ち出してきた時のあの表情にまた一同大爆笑。それにしてもあの夜は本当に楽しかった。
それにしても驚いた事に藤田さんは明日仕事があるのでと、夜中になって「奄美大島に帰ります」とまた嵐の中、暗闇の海に中、自身の船で消えていった。海の人にとってはなんもないことののでしょうね。
焼酎をこっそり取り出す行村さん
翌日はなんとか雨もやみ村を散歩していたら犬と散歩しているおじさんに「どこから来た」と声をかけられ「東京です」と答えたら「じゃ面白いもの見せてやるからついてこい」と。そのおじさんの家に案内され箱の中からハブを取り出して見せて頂いたが、怒り狂っているそのハブが「ハァー」と口から息を吐き威嚇している姿にゾッとした。島ではハブを駆除するために生け捕りにし役所に持っていくと数千円を貰えるとのこと。それにしてもヘビのあの縦目の目つき。ペットショップでヘビを買うのは女性客が多いと聞いた事があるけれど、あれをペットにしながら首に巻きつけて何が楽しいのか、分からないものです。
ハブを捕まえた村人
奄美大島に戻ってからは藤田さんと合流。マグロの養殖現場を案内してくれた。そして夜からまた雨。黒岩さんのお知り合いの三味線の名人たちによる演奏会。島唄と三味線を聴きながら一杯やる。これは贅沢だ。特にお孫さんのまりなちゃんはまだ中学一年生。全国大会でも上位になるのも納得で中学一年生とは思えない腹からの声に貫禄。凄い中学一年生がいるものだと、この子はいずれ世に出てくるだろうと確信していた。最後は皆で歌いながら、気持ちよく踊っていました。雨降りの日は飲みながら歌って踊ればそれでいいのです。
中学一年生のまりなさん
島唄を踊る
最終日、再びジャングルへ。金作原原生林に出かけたのだが、ジャングルの中を歩いていたら再び雨が酷くなり、気がついたら斜面の至る所が滝に。地響きのように流れる滝の音に冒険家の血なのでしょうか、胸騒ぎ。この自然の音。目を閉じて全身で感じていましたが、あっという間に全身がビショビショ。奄美大島最高峰にも登頂!
黒岩さんと奄美大島の最高峰・湯湾岳(694M)に登る
山頂も雲の中
日本画家の田中一村さんの自宅や、島流し?されていた西郷隆盛が過ごした家を巡り、夜のフライトで帰ってきました。雨ばかりのバタバタの旅でしたが、それにしても本当によく笑った。それにしても人はよくもあんなにも笑えるものだと、笑いすぎて腹筋が筋肉痛になるほどでした。やっぱり旅はいいですね。
西郷隆盛が奄美大島時代にすごした家
孤高の日本画家・田中一村が過ごした家
次回の旅は鹿児島にある開聞岳に登ることとなりました。知覧の近くにある山。特攻隊員が開聞岳を目印に最後、沖縄方面に突撃していきました。さて、次回はどのような旅になるのか、また報告したいと思います。