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「台湾・高砂義勇隊を巡る旅 後編」


 
 台湾での滞在は二泊三日と短期でしたが、内容はとても濃かった。
 蕭錦文(ショウ・キンブン)さん、馬莎振輝(マサ・トフイ)さんとの出会いから私は本当に多くの事を考えさせられました。台湾行きの前にそれなりに資料に目を通し、なんとなく表面的な知識でしかないものの、高砂義勇隊について少しだけ理解していたつもりでしたが、実際に直接お会いしお話をきくと、それは調べていた事前情報などとはまったく違った世界でした。

高砂義勇隊英霊記念碑の近くに植えられた桜 

 蕭錦文さんは仕切りに「日本人が日本の悪口を言うのが残念」と話されていましたが、本当にその通り。時に反省も必要でしょう。その反省とは次に繋げるため、より進歩するための行為であり、ただただ自身を卑下するための自虐的な行為ではないはず。

 確かに戦争は不幸です。日本社会はあの戦争から多くを学び過ちを検証しなければならない。しかし、同時に国のために命を賭けてまで闘っていった人たちがいた事を再認識し、自己犠牲の精神の尊さを見直さなければならない時期にきているような気がしてならない。

 私は明日から再びフィリピンに向かいます。私にとっては第五回目となる遺骨収集活動。今回はパラワン島。沈船内の遺骨(海没遺骨)を含め一体でも多くのご遺骨を発見し祖国に帰したい。

 昨年、我々、空援隊によって収集された御遺骨は8675体。今年の目標は2万体。非協力的な日本政府の姿勢、またご遺骨をODAの取引材料としてくる相手国との駆け引き、壁は次から次へと立ちはだかる。しかし、その1つ1つを粘り強くクリアしていく以外に方法はない。

 時に弱気になる事もないわけではありませんが、しかし、こうした活動を通して、新たな出会いが生まれます。この台湾での新たな出会いも私に大きな大きな勇気を与えてくれました。蕭錦文さんの「日本のためにありがとう」、私はこの言葉を生涯忘れません。

それにしても温もりのある言葉は大切ですね。私が蕭錦文さんの言葉に救われたように、日本政府から台湾義勇志願兵の方々に対し、また遺族に対し「よく日本のために戦ってくれました。本当に御苦労さまでした。ありがとうございました」の言葉があれば救われるのです。もちろん、言葉のみではなくしっかりとした補償を国家のプライドを賭けてでも行うべきですが、しかしその前に人としての言葉を台湾の方々に対し発するべき。

 

 それにしても台湾の旅は本当に楽しかった。新たに「知ってしまった」「背負ってしまった」こともありますが、あの町中から伝わってくるエネルギーはなんだろうか。夜の街をあてもなく剛さんと歩きましたが、歩いているだけで、また屋台で食事をしながらご主人や女将さんと話しているだけで、または銭湯の中で出会った台湾の方と話しているだけで、それだけなのに、どこか妙に懐かしく、かつての日本の姿を垣間見るようでホッと心が安らぎ、また同時にエネルギーの渦を感じ、生き生きとしている自身の姿を明確に認識していました。

 また近々、台湾に行く事にある。それがいつの日か分かりませんが、必ずその機会がそう遠くない将来に実現するだろうことは直感として感じ取っていました。

お茶屋さんの女将さん・台湾の朝青龍?


急須を買わないと万事休すですって!

屋台は楽しい

 蕭錦文さん、馬莎振輝さん、そして台湾行きのきっかけ作ってくださった野口剛さん、日本李登輝友の会のみなさん、本当にありがとうございました。

相棒の野口剛さんと


違いの分かる男?台湾茶は美味しい!

2010年3月6日 野口健