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お隣、韓国での清掃登山隊事情

韓国で活躍する山岳関係者たちと青空バーベキュー
韓国での有名山岳雑誌「月刊 山」での取材風景
朝鮮日報社の取材 僕の左(赤い上着)でうれしそうな顔をしているのが李さん

 3月10日、エベレスト清掃登山隊に参加する韓国隊員の李さんとの打ち合わせのために韓国・釜山に向かった。二泊三日の訪韓だったが、懸念した韓国の山岳関係者との交流は予想以上に友好的であった。

 全国紙の新聞「朝鮮日報」は大々的に取り上げてくれた。それ以外にも釜山日報やKBS(韓国国営放送局)、山岳専門誌2誌、スポーツ新聞等の取材攻勢にあい、韓国でのエベレスト清掃登山への高い関心をひしひしと感じてきた。

 実は昨年のチョモランマ清掃活動を終了しソウルで記者会見を開きトップニュースで報じられた際に一部の韓国山岳関係者から李さんへ圧力とも受け取られる連絡やメールによる抗議が寄せられた。李さんの疲れた表情から
「これは大変なんだな〜」
と感じていた。しかし、ここは踏ん張りどころ。李さんには
「これから数年間は色々言われるかもしれないけれど、10年後の韓国にとって必ず意味がある活動だからがんばって!」
とだけ伝えていた。それだけに今回の訪韓するまで
「あれからどうなったのかな〜」
と心配していた。

 しかし、実際に会ったところ、逆に李さんから
「ケンさん、日本で大変そうだね〜」
と言われ、
「なんで?」
と聞けば、14座ある8000メートル全てに登頂したある韓国人登山家(韓国ではスター)が、
「日本の山岳関係者が野口健の悪口ばかりいっていた」
「野口健も大変だ」
と同情していたそう・・・。

 最近は日本の山岳関係者からの苦情など直接寄せられていなかっただけに、事実かどうか分からないが、それにしても、こんな事で韓国山岳関係者から同情されるとはなんとも情けない。当初、李さんに反発していた韓国山岳関係者も次第に我々の活動に理解を示してくれている。以前「山」という韓国の山岳専門誌の取材を受けたが、担当記者も
「チョモランマ清掃活動の特集は大きな反響がありました。おおむね大歓迎でしたよ!」と我々の活動を特集した5ページもの記事を見せてくれた。
なんだか李さんが羨ましかったが、日本の山岳関係者もただただ反対している人だけじゃない。中には僕に応援のメッセージを送ってくださる山岳関係者もいる。特に若手の登山家から理解されているように感じている。尊敬する登山家の今井通子さんや大蔵喜福さんもアドバイスしてくださる。心強い援軍だ。このように僕を支えてくれている日本の山岳関係者もいる。

 しかし、反発があるのはまだまだ僕の活動に隙があるからだ。反発される要素がどこかにある。誤解されている部分もあるだろうし、理解されるため、僕自身の努力が足りないと指摘されればその通りだろう。

 まだチョモランマ清掃登山を初めてたかだか2年だ。なにかを伝えることの難しさ、多様な受け取り方に悩み、時に投げやりな気持ちになってしまうこともあるけれど、焦らずじっくりと活動を続けていきたい。

 それにしても李さん、いいな〜。

2002年3月15日
野口健