富士山から日本を変える
野口健からのメッセージ
野口健ニュース
野口健からのビデオメッセージ
野口健ブログ
掲示板
プロフィール
フォトギャラリー
七大陸制覇まで
講演会の依頼について
雑誌・テレビ出演情報
書籍・ビデオ
サイトマップ
野口健からのメッセージ

キャンプ2入り





 午前5時起床。雪は止んだものの朝から風が強く筋雲の流れがやたらと速い。BCにいるサーダー(シェルパ頭)のダワタシに連絡を入れたら衛星からの天気予報では低気圧が来ているとの事。できればBCに戻るように伝えられたが、午前中は天候ももつだろうと判断し、8時30分キャンプ1を出発。いくつかのクレパスを渡り 広大な氷河を一歩一歩と進む。途中、左前方にエベレストの全容が姿を見せた。あまりの大きさに「本当に俺はあのてっぺんまで登ったのかなぁ〜」と言えば一緒に登ったニマ・オンチュウもなんども「そうだねぇ〜」とうなずいていた。11時30分、無事にキャンプ2入り。この頃から雪がパラパラと降り出した。一年ぶりのキャンプ2(6400m)入り。そして 正直 日本を発つ前には「なんとかなりますから!」と強がってみせたものの どこかでBCまでたどり着けるものかと不安であっただけに こうして 順調にキャンプ2入りしたことが嬉しかった。

 今回のエベレスト遠征は始まってからずっと楽しい。あの怖いアイスフォールも楽しめる。

 こうしてエベレストに挑戦できること自体に感謝。途中、苦しいとしか感じない時期もあったエベレスト清掃活動がどことやら。今ではこの苦しささえ清々しい。それにしてもヒマラヤ初挑戦の谷口隊員のケロッとした表情には驚かされる。平賀カメラマンも「スゲー」を連発させながら撮影している。田附隊員もキャンプ2に到着するなりトイレに溜まった糞の回収に精を出している。エベレスト二度目の高畑隊員も隊全体を見回すほど余裕を持てるようになった。これが最後なのが残念に感じるほど理想的な登山隊ができた。明日からキャンプ2周辺の清掃活動開始だ。


2003年4月30日
エベレストキャンプ2にて 野口健