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「富士山清掃活動について」
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 4月19日、富士山・エベレスト同時清掃活動が行われる予定であった。しかし、北京五輪の悪影響でネパール側も中国隊(聖火隊)がチベット側からエベレストに登頂するまでは衛星通信などの使用が禁止されたため、同時清掃は実現できなかった。19日、若村麻由美隊長のもと富士山では清掃活動が行われ、我々はベースキャンプ手前のゴラクシップにて待機。そして富士山サイドが清掃活動を終えてからゴラクシップから衛星生中継を行った。同時清掃が実現できなかったことがとても残念であったが、しかし、若村隊長と中継が繋がり160人以上もの参加者が富士山で汗を流してくださったこと、そして嬉しかったのが富士山清掃にネパール人、中国人が参加してくださったこと。

山小屋の一室でひそかに行われた中継

 特にチベット動乱、中国政府によるチベット人弾圧に対しての発言を繰り返していただけに私は中国人に嫌われているのだろうと覚悟していただけに、その中国人が富士山清掃に参加してくださったことに正直驚いた。私のメッセージは「中国人批判」ではなく、「中国政府」に向けたものであったが、デリケートでまた感情的になりやすい問題ゆえにその辺りがいっしょくたになりやすく危惧していただけに中国の方の参加には心底ホッとさせられた。少なくとも彼らには思いは通じた。清掃活動を通じ政治と違った部分での交流ができれば素晴らしい。

富士山清掃隊長の若村麻由美さんと衛星通信中

 この出来事で同時清掃活動が実現できなかったモヤモヤは消えたわけではなかったが、しかし救いとなった事には違いない。若村隊長も3年連続の富士山清掃隊長ありがとうございました。おかげで日本の事は安心して任せヒマラヤでの活動に専念してこられました。 

 そして現場の富士山クラブの皆さん、清掃活動後のごみの再分別や最終処理など人目に付かないところでのご苦労、頭が下がります。ヒマラヤから感謝しています。そして多くの参加者の皆様、富士山のためにせっかくの休日を返上し清掃活動を行ってくださったこと、ありがとうございました。我々、ヒマラヤ組はどれだけ励まされたことか、明日精一杯、エベレストのベースキャンプで清掃活動を行ってきます。富士山・エベレスト同時清掃活動とはならなかったですが、大切な事は気持が1つになるということです。若村隊長を通じて参加者のみなさまの気持ちが確かにヒマラヤに伝わってきました。本当にありがとうございました。そしてナマステ!

2008年4月19日 ネパール ゴラクシップにて 野口健