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義務教育に環境教育を!小諸での取り組み  

  富士山清掃後、次の舞台は長野県小諸市へ。9月19日から10月4日まで小諸市に滞在し環境学校、清掃活動、講演会を行った。小諸市と関わり始めて4年目。特に芹澤勤市長からのラブコールは凄かった。「野口さん、一緒に小諸を環境都市にしましょう!」と。それから清掃活動、そして3年前からスタートした「森林再生プロジェクト」。これは画期的なことで、小諸市の小学校のカリキュラムの中に現場型環境教育を取り入れたことです。芹澤市長にお願いし、熱望させて頂いたのが、義務教育の中での森林再生プロジェクト。

 「野口健環境学校」はあるものの、これはいわゆる夏休みなどのサマースクールで一般募集を行い環境問題に興味がある子どもたちが申し込んでくるわけです。したがって基本的には環境問題に関心のない子どもは参加しない傾向が強い。関心があろうが、なかろうが環境問題は全ての人に関わってくる。私としては「国語」「理科」「算数」といった科目の中に「環境」を含めたい。

 その為にも2003年から全国で展開されてきた「野口健環境学校」のノウハウを生かし、次のステップは「義務教育」での「環境教育」だ。教育委員会含め教育関係者に何度か相談してみたものの、外部の人間が入ってくることに対し敬遠する傾向があるのかなぁ〜と感じたこともある。そのようなタイミングで芹澤市長から「一緒にやろう!」とのお誘いがあり、それならばと「教育委員会へ働きかけて小学校教育の中で環境をやらせてください」と相成ったわけです。

 2006年、小諸市内にある小学校6校中、4校が賛同してくださりスタート。しかし、その裏には小諸市役所と教育現場サイドでは多くのやり取りが繰り返されていた。教育委員会から「まずは校長会議にかけること」と、そしてその結果「教頭会議にかけること」。そしてその結論が「各学校の判断に任せる」となる。それから市役所の方々が各学校に説明し、そして4校が理解してくださった。市長の決断と、職員の粘り勝ちだったと私は解釈していますが、嬉しかったのが参加されなかった2校の子どもたちの親から学校サイドに「どうしてうちの子どもも参加できないのか」といった声が多数寄せられたとのことです。

 そして2年目から6校中6校が参加。嬉しい広がりじゃないですか。確かに市長からのトップダウンであり、一部の現場では戸惑いがあったのかもしれない。しかし、3年間続けているうちに今では先生方とも息がピタリとあっています。突然の申し出でありながら協力してくださる各学校関係者には心から感謝です。また行政(市)が直接、教育委員会や教育現場に呼びかけて環境教育をプログラムに入れたのは全国で小諸市がはじめて。
 
  そしてこのプロジェクトが凄いのは小諸市・林野庁(国)・長野県・森林組合・NPOといった組織の連携プレーで実現していることです。以前、芹澤市長に「私が関わる以上は腹をくくってください」と生意気にもお伝えしていましたが、この短期間でこれだけ大きく前進したのは、まさしく芹澤市長の小諸を変えるんだ!と腹をくくられた姿であり、リーダシップです。芹澤市長と出会えたことに感謝しています。

小諸市 芹沢市長と

 10月3日、小諸市の環境大使に任命され就任。私にどこまで出来るか分かりませんが、小諸市でのこの森林再生プロジェクトを成功させることにより、1つのモデルケースとして全国の義務教育の中に環境教育を普及させていきたい。
2008年10月7日 野口健