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野口健からのメッセージ

 
カトマンズで安全祈願を行う

 4月1日はボナダート(ネパール最大のチベット仏教の寺院)にてマナスル登山の安全祈願を行った。ここボナダートはラマ教のシンボルでもあり、度々チベット問題に対するデモが行われる。ネパール国内には中国による弾圧から逃れてきた多くのチベット人難民がいる。彼らが中心となり「フリーチベット」が訴えられるのだが、昨年のオリンピック前にはあれだけ国際社会に注目されたチベット問題も今ではすっかり忘れられてしまっているような気がする。チベット問題は何一つ改善していないどころか事態はさらに悪化しているとのこと。

カトマンズ市内で行われたチベット人によるデモの様子

チベット人の人権を求めデモを行う人々



 この春も昨年同様にチベットでのヒマラヤ登山がいまだ許可されておらず、チベットでの登山活動を予定している登山隊はここカトマンズで待機を余儀なくされている。あの暴動から一年以上が経つにも関わらず、未だに外国人のチベット入国に対し極度に神経をとがらせ警戒している中国当局の様子が今現在チベットのおかれた悲惨な状況を物語っているのではないか。

 やはり北京オリンピックの時に国際社会はもっと中国にしっかりとメッセージをおくり追い詰めるべきではなかったか。あれだけの騒ぎになりながら、参加のボイコットもなく、結局なにごともなかったかのようにオリンピックが開催されたが、中国からすれば「ちょっと騒がれただけですんだ」となり、チベットに対し拍車がかからないだろうかと心配していたがその通りの展開になってきたような気がします。日本にいてはなかなかチベット問題を感じることも少ないのかもしれませんが、ヒマラヤに来る度にこの最前線でチベット問題の切実さをひしひしと感じるものです。

ラマ教による野口隊の安全祈願を行ってもらう

 明日からマナスルに向けてカトマンズを出発!日本を発つ前はかなりヘロヘロ気味でしたが、カトマンズでゆっくり?と休めました。少なくとも睡眠はとれた。なんとなく2002年のシシャパンマ峰前の状況と似ていますが、ただ、ヒマラヤ遠征は長期戦ですから、今現在の体調管理も大切ですが、一ヶ月半後の山頂アタックまでにちゃんと整えればそれでなんとか勝負できるもの。理想は完璧に体を作ってからヒマラヤ入りすればいいのでしょうが、学生の頃ならまだしも社会人になってからは、そのような時間的な余裕もあるわけもなく、つまりこういった現状の中でどこまでベストを尽くせるのか。問題は気持ちが切れたら終わっちゃうので、我慢の日々が続くかもしれませんが、焦らずにのんびりとビスタリ精神(のんびり精神)で少しずつ山頂を目指して一歩一歩進めればそれでいいんじゃないかと思います。

 紆余曲折ありながらも最終的にマナスル登山を決断したのも自身であるわけで、いまさらジタバタしたところでもう勝負は始まっているわけですから。まっ、最後は神風が吹いてくれるでしょう?ではでは。

2009年4月1日 野口健