「マナスルの女神がほほ笑んだ?」
あれっ、雪が止んだ!そう、サマ村の僧侶が安全祈願を行ってくれた直後に雪がピタリと止んだ。4月18日、朝から晴天。久しぶりの爽やかな朝。そして久しぶりにゆっくりと雪を意識しないで朝まで眠ることができた。
「淳、今日はここまで。ベースキャンプに降りるぞ!」
朝、テントから顔を出し真っ青な空を確認し、すぐに「お〜い!淳!起きろ!今日は歩くぞ!」と平賀カメラマンのテントに向かって大声を出していた。なにしろずっとジッとしていたので体がなまって仕方がない。うっぷんも溜まっていたのかもしれない。また体を動かさずに同じ姿勢でじっとしていると腰痛になる。キャンプ1手前まで気持ちよく氷河の世界を楽しんだ。昨日までの悪天候が嘘のようだった。ただ、急激に温度が上昇していたのと、昨日までのドカ雪と、雪崩が発生しやすい状況だったので斜面には近づかなかった。したがってキャンプ1手前2時間ほどの場所で引き返した。その直後、ロシア隊の4名がキャンプ1直下の場所で雪崩に流されたとのこと。幸いな事に自力で脱出でき助かったが、しばらく雪崩には要注意。
一歩一歩、この繰り返し
先はまだまだ遠い
雪の砂丘 明日は雪の状況を見ながらキャンプ1を目指す。キャンプ1に宿泊し、次の日に余力が残っていればキャンプ2手前まで高度を稼ぎたい。
明日は山梨県の森の学校で「富士山クラブの10周年記念イベント」が開催されますが、舟津氏から「マナスルから電話ちょうだい」とお願いされているので、なんとなんとキャンプ1に登っている最中に衛星電話をかける予定。「ハーハー」言いながら電話しますが、怪しまないでね。
2009年4月19日マナスルベースキャンプにて 野口健
平賀カメラマンのサングラスを鏡に日焼け止めを塗る
後ろにマナスル峰 |