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「現場主義〜都レンジャーと歩く〜」

12月17日、東京都レンジャーの隊員と一緒に「都民の森」をパトロール。三頭山の山頂を目指し一周をグルリと歩くコース。石原都知事に「都が都内の自然環境を守るためには東京都独自のレンジャーが必要」と提案させて頂き誕生した都レンジャー。その都レンジャーの名誉隊長を引き受けさせて頂いていますが、こうして年に何回か現場に行かなければ日頃隊員が感じていることを感じる事が出来ない。名誉隊長に就任した頃は隊員と現場を歩く機会が少なく意思疎通が必ずしも上手くいっていなかった。そして現場の隊員の気持ちを本当のところで理解しないまま、私が発言した内容に隊員の心を傷つけてしまった事がありました。これは完全に私の落ち度。やはり現場を知らない人間は人前で発言してはいけないと、心底反省させられた。それから年に何回か都レンジャーの隊員と現場を歩くようにしている。



都民の森、ここから登山開始

富士山クラブ富士山レンジャーもそうですが、現場の第一線を守っている彼らの正義感、使命感には逆に私が大きな力を頂いている。彼らの活動は実に地道。コツコツと一つ一つ。一気に全ては変えられないが、それでもその目標に向かって昨日も、今日も、明日も、またコツコツ。本当に頭が下がる。発展途上国のさらに奥地で黙々と汗を流す青年海外協力隊員(国際協力機構(JICA)本部を訪れてJICAの地球環境への取り組み)や沖縄にて50年間もの間一人で遺骨収集を行っている国吉勇さん。







パトロールする渋谷隊員と中澤隊員



鳥の足跡を細かく確認するレンジャー

私は冒険や環境問題に関わらず様々な現場に出かけていく。そして可能な限りその現場で目標をもって取り組んでいる人との出会いを大切にする。それはこうして様々な現場で地道に必死に取り組んでいる方々からエネルギーなりヒントなりを頂きたいからだ。そして俺も頑張らなきゃと自身に鞭を打つわけです。そうでもしないと僕なんかすぐに逃げようとしてしまう。



都は鹿が及ぼす森林への影響を調査している






 動物の糞をチェック



三頭山山頂付近から眺める大都市東京

 檜原都民の森〜三頭大滝ブナの路、ムシカリ峠を経由し三頭山避難小屋へ。ここで休憩し三頭山峰に登り昼食。次に中央峰〜東峰〜森林館〜檜原都民の森駐車場に降り終了。約4〜5時間のコースですが、避難小屋からの富士山の眺めはしばし時間の経過を忘れて見とれてしまった。カメラの設定を白黒にして撮影してみたらまるで水墨画。短い時間でしたが夢中になって撮影。最近、撮影が楽しくて仕方がない。間違いなく一番の趣味。撮影に没頭している時の集中力。一瞬だけれど様々な事から解放される瞬間でもある。前回の富士山に続き白黒写真を何枚か選んでアップしてみました。白黒のシルエットの世界も力強いでしょ。



避難小屋から撮影した富士山



シルエットとコントラストの世界 モデルは小島クン



野口健ブログ 2010年10月23日 富士山

野口健ブログ 2010年11月4日 愛される富士の姿

野口健ブログ 2010年12月15日 今年最後の富士山

 さてカメラ小僧の話はここまでにし、都レンジャー隊員の渋谷さん、中澤さんの細かな視点には関心させられた。歩きながら前後左右、細かくチェックする。植物が抜かれていないか、木の枝の状態(枯れていたら落下してくる前に枝を落とす)、そして動物のフンのチェック、また登山者には丁寧に注意点などを伝える。僕なんかタカタカと歩いてしまうが、ふと振り返ると隊員の彼らが歩きながらも四方八方を1つ1つ確認している。レンジャーとしての、そして現場のプロとしての、顔がそこにはあった。



都レンジャーのみんなと 山頂にて 撮影:小島クン

 また来年、彼らとパトロールをしたい。来年こそは小笠原諸島にいる隊員とも活動を共にしたい。そして来年の2月頃に「レンジャーシンポジウム」を開催したい。そのシンポジウムには環境省のレンジャー、東京都レンジャー、山梨県富士山レンジャー、神奈川県レンジャーなど現場の第一線を守っている彼らの声を集め、現場のプロであるレンジャーが求められている役割、そして彼らの活躍を一人でも多くの方々に知ってもらい、そして子どもたちの中から「将来の夢はレンジャー!」といった声が上がればそんな素晴らしい事はない。何事も現場が大切。これからも現場主義の人材を増やしていきたい。