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環境省への期待

 2004年(平成16年)3月10日、都内某所にて環境省が主催する『第2回エコツーリズム推進会議』が開催された。環境省は2004年度(平成16年度)より、全国に合計8箇所のエコツーリズム推進モデル地区を設置し、1地区あたり3ヵ年計画でエコツーリズムの普及・定着につとめるとの方策を掲げている。具体的な地域に関しては、地方公共団体から公募するため、まだ決定していなかったが、国立公園などが中心となることは配布された資料にも記してあるように明白であった。
 資料にはモデル地域の推進組織として、地域住民、観光協会、ガイド候補者、そしてコーディネーターを掲げていた。更にエコツーリズムを推進する上で、ルールの策定について記されており、そこには「ルール遵守のための監視方法とペナルティ」という項目があった。今回、野口はこのコーディネーターとルールについて毅然と問いただしたのである。

「東京都が小笠原で独自のレンジャー制度を実施することになり、現地で地域住民と意見交換を行う機会があったが、これまでの都と地元とのコミュニケーション不足を実感した。環境省はもっとレンジャーに資金と人員を確保すべきであり、レンジャーのコーディネートを核としてエコツーリズムの推進を目指してほしい。そもそもルールを監視したりするのは誰がやるのか。それこそレンジャーがやるべきことではないのか」

 しかし野口が熱心にレンジャー制度の充実を説いても、環境省サイドはのらりくらりと議論をすり替え、明確な回答を避け続けていた。野口の意見に対して、世界のレンジャー制度に精通しているC・Wニコル氏の「よく言った。そこだよ。そこ」といった援護射撃もあったが、環境省サイドの姿勢は変わらなかった。この日ほど憔悴した野口の表情を筆者は見たことがない。会議が終り、野口に感想を伺ってみた。

「エコツーリズムの推進っていっても、舞台は国立公園がメインとなるわけで、よほどしっかりと体制を整えないと余計に自然が荒らされてしまう。そもそもエコツーリズムの推進の前に、デスクワークに終始しているといっても過言でない環境省のレンジャーの充実に力を入れるべき。小笠原なんて担当のレンジャーが箱根にいるという状態なんだよ。
 エコツーリズムにはルールがあるわけだけど、誰が監視するのか。ペナルティにも触れていたけど、よほどバランス感覚のとれたコーディネーター役がいないと無理だよ。
 これは絶対に行政のプロがやるべき。そして国立公園が舞台ならばその監督官庁である環境省のレンジャーが本来は適任だよ。
 今日はまったく聞き入れてもらえないような雰囲気でさすがにちょっとまいったけど、俺は絶対に諦めないよ。環境省は1971年に厚生省や通商産業省などに分散していた公害に関わる行政を一元化して出来た。その中に自然保護や環境政策も含まれた。まだ歴史が浅いけど、環境問題は今後の最大の政治課題。まだまだ財務省や外務省ほどの存在感はないけど、今後、最も重要視され、注目されるべき官庁だと思う。だからこそ環境省にはすごく期待しているし、僕も時間もアイデアも惜しまない」

 最終回となる『第3回エコツーリズム推進会議』は今年の6月2日に開催される。今回、某委員からは「人を馬鹿にしている。もう環境省の会議には参加しない」との諦めの声が聞かれたが、野口は決して諦めないようだ。今後、野口がどのような提案を行うのか。次回のレポートをお楽しみください。


2004年4月30日
文責:小林元喜