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5月4日
■7900m地点のゴミは?


ABCに集められた上部のゴミ
 中間キャンプからABCへ午前9時出発。やはり前回よりも呼吸が楽だ。もっとも、6000mを越えれば疲れることは疲れるが、しかし健康的なバテであった。途中ABCに上がっていた岡田さんが降りてきた。遠くから見てもフラフラしていたので高度障害にかかっているとすぐに分かったがABCに3泊の3日目にしてこの状態はおかしいなと思ったらなんとABCで2泊目まで体調がよかった為ついつい3泊目の夜ひとりテントの中でウイスキーを飲んでしまったという。その結果、夜中呼吸困難となり大変な事態となってしまった。

 3時過ぎ、ABCについてから7900mまで上がったシェルパ達がABCへと戻ってきた。酸素ボンベ、ロープテントの残骸等約200kgほどのゴミを回収してきた、その酸素ボンベの年号を見てビックリした、なんと1960年の登山隊のものだった。当事のボンベは今のボンベと比べると大きさも重量も数倍ありよくまあこんな重い(6kg以上)もあるボンベを担いで登ったものだと感心させられた。そしてさらに驚いたのはその酸素ボンベの酸素が60年間漏れずにしっかりとボンベのなかに収まっていたのだ。

 総勢22人いるクライミングシェルパを2つの班に分けた、ABに分けまずはA班がノースコルに入り1泊した後、翌日7900mまで登りゴミを回収し、その日のうちにABCへと降りてくる、それを見届けた次のB班が翌日ノースコルへ上がり、1泊し翌日7900mまで登りゴミを回収する、その間A班は1日ABCで休み、B班が帰ってきたら再びノースコルへと登る、その繰り返しでA班、B班が上部のゴミの清掃活動を行う。シェルパ達の強靭な体力、気力にはただただ驚かされる。

 ただ1つだけ心配事がある、シェルパのうちの一人が右足をパンパンに腫らしてしまった、膝から下がしびれと痛みでほとんど歩けず、グルジア人の医者にみせたらおそらく血行障害によるむくみではないかという。BCに降ろしたくともほとんど歩けない彼をどう降ろすのか、6400mの標高ではヘリコプターも上がってこれずヤクに乗せて降ろすのもすぐ暴れるチベットのヤクであるから、それなりのリスクがある。医者が治療を行っているので今しばらく様子を見る事にしたが、一大事にならなければいいのだが・・・・・。