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5月20日
■ABC滞在

 今日は朝から風が強い。1つ残念なニュースがABCへ入る。今日、アタックしていた西洋人とみられる隊員が第一ステップから滑落し死亡したとの事。毎年、必ず死者をだすこの山においては、さほど珍しい事故でもないようで、その事故を聞いたABCでの反応は何事もなかったように淡々としていた。私には、その異常さがなんとも奇妙であった。しかし、これもチョモランマの一面であろう。

 昨日は野口隊のシェルパが8300メートルに96年から放置されているオーストリア人の遺体を北壁側へと落とした。回収できないと判断し、また、雪が多く、石で埋めることも出来ず、チベット登山協会と相談した後の判断であり、抵抗が無いわけではないが、この手段もヒマラヤではやむを得ない。毎年、このように遺体がクレパスや谷底へと落とされていく。

 昔、船上で死者が出ると海に流したように、ヒマラヤでは現代においてもその方法で死者をあの世へと送り出す。

 野口チョモランマ清掃隊は本日でもってゴミの回収を終了した。回収したゴミは約一トン半。酸素ボンベは116本にまで増えた。私なりの感想としては大成功!22人ものシェルパを抱え、その一人たりとも失わず、皆元気に来年の第2次清掃登山隊の話で夢中になっている。来年も参加したいという、ありがたい声があちこちで聞こえる。シェルパあってのこの清掃隊がますます活気ずいている。さて、来年はどうしようか!また、こちらチベット側、それともネパール側、当初の予定ではもう一度、チベット側であったがシェルパの故郷であるネパール側からの清掃も私の頭をよぎった。まだ、第一次清掃活動が終わったばかりだから、なんとも判断できないが、帰国してからゆっくり考えよう。