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念願のガラパゴス





 エベレスト前の2月下旬から3月にかけてNHKの番組(エコツアー特集)でアフリカのタンザニアを訪れた。そこでは従来のサファリツアーと違いウォーキングサファリを行なった。これは四輪駆動車には乗らず野生動物がいる地に自分たちの足で歩き(25キロ以上)キャンプもした。車の中から動物を眺めるサファリツアーとは野生動物との接し方が大きく違った。間合いの取り方、そしてライオンやチータなどの猛獣への警戒心など、人間のほうが彼らに合わせなければならない。ライフル銃を持つレインジャーが同伴しながらサバンナを歩くのだが、目の前で猛獣に食われたヌーの亡骸があったり、またふと気がつけばチータがこちらの動向をジッと見つめていたりした。ゾッと緊張する瞬間でもあったけれど、こちらがしっかりと彼らとの距離を保てば相手から襲ってくることはない。

 しかし、野生動物に近づきたいけれど近づけないウォーキングサファリからは こっそりと彼らの生活を覗く楽しさを知った。ここでは人間も動物も同じありけっして人間が特別扱いされない。アフリカのサバンナを自分の足で歩きながらこの大地との一体感を味わった。そして植物や動物の糞など歩かなければ気がつかない部分までレインジャーに生態系の話など細かく説明してもらった。タンザニアロケは僕にとって仕事での参加であったが、しかし、それ以上に得るものがあった。いままで多くの国々を歩き回ってきたが、このタンザニアでのエコツアーはいままでになかった強烈な印象を僕に与えた。そして「エコツアー」ってなんだろうと、もっと知りたいと思うようになり、タンザニアから日本に戻るときにはすでに頭の中で次なる目標、ガラパゴス諸島をイメージしていた。

 エベレストでアフリカに同伴した谷口ケイさんとガラパゴス行きを計画した。極寒の地、エベレストからはなかなかガラパゴス諸島は想像も出来ないでいた。ただ、命あふれるガラパゴスに早く行きたい!という思いだけが膨らんでいった。


2003年6月27日
野口健