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ガラパゴスでのダイビング





 エベレストから帰国して3週間が過ぎた7月21日、ガラパゴス諸島に向けてアメリカ経由でエクアドル入りした。ガラパゴス諸島はエクアドルにあるのだが、日本からは遥かかなたに遠い。ざっと飛行機で20時間ほど。時差も15時間。ガラパゴスに上陸してすぐに大好きなスキューバ・ダイビングにでかけた。年間約100日以上も、山にこもる生活をしていれば誰でも海に対する憧れが強くなる。特にヒマラヤの高所では生き物と出会うことはめったにない(カラスは例外 彼らは8000mまで登山隊に食料を盗みにやってくる)。8000mを越えればエベレスト初登頂者のヒラリー卿の言葉の通り「死の匂いがする」領域であり、そのような世界ばかりをウロウロしていると、生に対する執着心、つまりは命が恋しくなる。例年のイベントとしてヒマラヤから戻ればまずは海に潜る。これで僕の中で精神的なバランスをとってきた。登ったぶんは、ちゃんと下がらなきゃ!です。昨年は八丈島、屋久島、ツバル諸島でダイビング。幸せな瞬間でした。そして今年は憧れのガラパゴス諸島と小笠原諸島でのダイビングができる。しかし、赤道直下にありながらガラパゴスの海の水温は冷たい。南氷洋から流れてくるフンボルト海流が、南米大陸の太平洋岸沿いを北上し、赤道近くで西にその方向を変え、南赤道海流となってガラパゴスを通過するので7ミリのウエットスー
ツで身を包んでも寒い! 水深30mまで潜ったが突然キーンと水温が落ちたり、少し場所を移動したら暖かくなったりと海の中でも潮の流れによって水温が大きく変わる。そうゆう場所に魚は集まる。いままで40本以上 潜ってきたがいままでに見たことがないような魚の群れ。そしてアシカやウミガメがあちらこちらで優雅に泳いでいる。アシカと泳ぐ、これにまた感動。そしてインストラクターからはサメが多いと聞かされていた通り サメが近くを泳いでいる。慌ててさらに潜って避難するのだが、何匹も目にするうちに慣れてしまって気にもならなくなった。命あふれるガラパゴスの海の中でこの7年間に及んだエベレストの挑戦を無事に終えられたことに感謝していた。生きていられるからこそこの素晴らしい自然と出会え、また感動することもできる。しかし、15度以下の水温はやはり寒かったなぁ〜。


2003年6月27日
野口健