毎年、環境メッセンジャーを100人

 富士山、小笠原、屋久島、白神山地など日本を代表する景勝地を舞台に「保護と活用」をテーマに環境教育を行っています。子供を主な対象とし、評論家ではなく、実際に行動することのできる人材(環境メッセンジャー)を毎年、100人誕生させることを目的としています。

 そもそもの環境学校の始まりは、野口が初めてエベレストに赴いた際に、欧米の登山家に「何故、日本人がゴミを捨てるのかがわからない。日本人は世界で最も大学に行っているし、教育も受けている。教育大国の日本が何故、環境に目を向けないのかがわからない」と指摘されたことに起因しています。
そして野口自身も義務教育で「環境教育」と言われるものを受けてこなかったことに気づきます。それがきっかけとなり、環境学校が開始されました。

 野口は「環境問題は人間社会と直結しており、自然を守るからといって、地元の人が生活できなくなると続かない」と言います。環境学校では、野口健を校長とし、バランス感覚を重視した環境教育を行っています。

 また今後は、「保護と活用」だけではなく、広く環境問題を扱っていくつもりです。たとえば原子力発電所は、環境破壊だという指摘がありますが、実際に原子力がなくなったら私達は生活できるのか、本当に危ないのか、といったことはわかっているようでわかりません。リサイクルにしても本来は『分別して、はい、終り』ということではないはずです。その先は一体どうなっているのでしょうか? 
 今後、環境学校ではこのような「わかっているようで実はわからない環境問題」もテーマとしていきます。