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変わり果てたふじみ湖


現在のふじみ湖


以前のふじみ湖

 1年半ぶりに「ふじみ湖」に出かけた。僕の知っている「ふじみ湖」は跡形もなかった。
 無残にも湖畔の山は削られ、水は抜かれ、コンクリートが敷かれ、何台ものトラクターやブルドーザーが湖底だった辺りを行き来している姿にしばらく声がでなかった。ブルドーザーが辺りを「ガァー」と音を立てながら容赦なく掘り起こしている姿が痛かった。人間が無抵抗な「ふじみ湖」を無差別殺りくしているような野蛮な光景を直視するのが辛かった。

 最後に訪れた時は目隠しネットが張られた直後で、まだ工事は開始していなかった。「あの時ならまだ間に合ったかもしれない」「こうなってからではもう遅い」と悔いながら、この光景だけはしっかりと自分の脳裏に焼き付けておこうとしばらくその恐ろしい光景をただただ眺めていた。
 しかし、人間っていつまで こんなバカげたことを繰り返すんだろうか・・・。茨城県知事や笠間市長はこの愚かな行為に対して、なにを思い、どのような経緯で決断したのか。彼らの政治家としての、また一人の人間としての哲学を僕は知りたい。

 水源地である「湖水」の水を抜き、そこに産業廃棄物を埋める行為など世界の非常識。日本は本当に先進国なのだろうか。環境行政は一体なにをしているんだろうか。時代の流れを読めない政治家達が舵取りしている事の恐ろしさ。なんとも歯がゆい。こんな時に昨年の年末に迷いに迷い、夜も寝ないで悩みに悩み、「席を立たない」と決断したことが正しかったのかどうか分からなくなる。

 無念にも「ふじみ湖」は救えなかった。なにも出来なかった。自身の無力さを痛感した。しかし僕はけっして「ふじみ湖」を殺した面々を許さない。そして第二の第三の「ふじみ湖」を繰り返しちゃいけない。

 これからあらゆる場で「ふじみ湖」で起きている現実を伝えていきたい。一人でも多くの方々にこの悲劇を知って頂きたい。これはなにも力になれなかった僕の償いでもあり、またこのような事態を容認し、決断した面々への挑戦状です。


▼参考ページ
ふじみ湖 プロジェクトY







2004年2月8日
野口健