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小池百合子環境大臣が動いた
−環境省がエコツーリズム推進会議を設置−





 2003年10月24日、小池百合子環境相が、環境保全と観光の両立(エコツーリズム)の推進策を検討する会議(エコツーリズム推進会議)の設立を発表した。初会合は同年、11月12日に東京都千代田区の東条インペリアルパレスで開催された。委員にはエコツーリズムに取り組む法人の代表者、学識経験者、環境省以外にも国土交通省や農林水産省など多数の関係府省の局長ら合計27名が選出され、野口健の名前もその中にあった。

 小池百合子環境相は自ら議長を務め、冒頭でこの会議の設立の経緯を語った。大臣曰く「エコツーリズムは就任以前から気になっていた」とのこと。小泉総理から大臣就任の際に「経済と環境の保全の両立を目指して欲しい」との要望があり、会議設立の運びとなったようである。大臣は自らのエコツーリズム観を交えて、「丁々発止、前向きな議論を展開して欲しい」と挨拶を締めくくった。

 この日は初会合ということもあり、委員一人一人に自己紹介も兼ねて、持論を展開してもらう運びとなった。本サイトでも重ねてレポートしているように野口は2年ほど前から東京都主催のエコツーリズム推進のための会議の委員を務めている。それ以来、野口は国内では小笠原、屋久島、白神山地を始め、アメリカ、ニュージーランド、アフリカ、ガラパゴス諸島など海外でもエコツーリズムの先駆的な地域を訪れている。

 野口は、自身の経験をふんだんに盛り込み、環境保護をすることによって、生計が立てれる仕組みづくりの重要性を中心に訴えた。更に東京都が今年四月から開始した認定ガイドの制度やガラパコスでのエコツアーの例をもとに、ガイドには学者的な素養とサービス業的な素養という持論を展開した。

 帰り際、野口は高揚した様子でこの会議の開催を喜んでいた。野口は約1ヵ月前の10月9日に小池環境相を訪れ、日本の環境行政の不備について、そしてそれを改善するための策を訴えている。その時、小池大臣は最後に「これから研究してみますので、環境を通してご支援を宜しく」と述べていた。それがこのような速さで実現したことに野口は驚きと喜びを感じていたようだ。

 更にこの推進会議は、これまでのように野生生物や自然環境を対象としたエコツーリズムではなく、その概念を広げ、産業振興や環境教育に繋げていくことを検討するのが狙いであるという。この主旨にも野口は強い共感を覚えたようだ。

 それはやはり「自然保護」と連呼するだけでは、一歩も根本的な仕組みを変えられず、現実的な人間と自然の共存、つまりは人間が自然を守りながら且つ生活していくためには、何が必要なのかということを目の当たりにしてきた野口ならではの感覚だと筆者は思う。   
 本会議は計3回ほどの開催され、来年6月に検討結果を公表する予定だ。


2003年11月26日
文責:小林元喜