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野口健、東京都観光事業審議会の委員に
−東京を千客万来の観光都市にするために−談





 2003年11月14日、東京都庁第一本庁舎42階特別会議室にて「第15次東京都観光事業審議会」が開催された。この審議会は東京都観光事業審議会条例に基づき、昭和28年に設立されて以来、今回で15回目となる。毎回、審議のテーマがあり、委員に選出された学識経験者や都議会議員の方が、テーマの実現のために必要とされる課題などに対して意見し、それを都の観光行政に反映させるという主旨で行われている。15回目となる審議会のメンバーは合計で24名。野口も委員として選出されている。

 今回の審議会のテーマは「東京都観光産業振興プラン」について。プランの目標は「外国人旅行者を5年で倍増 277万人→600万人〜」というもので、その実現のために以下の3つのアプローチ方法が提示されている。

 1 シティーセールスやウェブサイトを始めとした「PR」
 2 景観の整備や自然を活かした観光への取り組みなど「観光資源の開発」
 3 羽田空港の国際化や旅行者にわかりやすい情報の提供といった「受入体制の整備」


 委員からは活発に意見が交わされ、野口は主に景観の整備を中心に持論を展開した。野口は、開口一番、「ヨーロッパの古い都市の街並みを見た後に、成田に帰ってくると常々、『ああこれが現実か』と思う」と述べ、「その感覚は皆が持っているのではないか」と挑発した。

 その上でヨーロッパなどを例にとり、都市計画の重要性を訴えた。野口は常々、「ヨーロッパなどにはちゃんと都市計画がある」という。それはわかりやすく言うと居住区なら居住区、公園なら公園、盛り場なら盛り場といったように街の住み分けができているということだそうだ。

 更に海外の友人が京都の銀閣寺を訪れた際に、すぐ近くの裏通りにはラブホテルの看板が立ち並んでいたことを批判された例などをあげ、緊張感があった会場に笑いを誘いながら、調和の取れた街並み作りについて訴え、「やはり東京に住んでいる人が帰ってきた時に『やっぱり東京はいいなあ』と思えなければ観光客の誘致にはほど遠い」とこの日の発言を締めくくった。

 野口は、このような会議に出席し、様々な立場の人の意見を聞け、触発されるのは非常に良い経験だと言う。会議終了後、野口は、委員の一人であるフランシスコ・ハビエルスペイン国特命全権大使の「東急ハンズは非常に面白い」という一言を取り上げ、筆者に「歴史ある日本の首都である東京の観光名所が『東急ハンズ』なんてのは、これは侮辱と同じだよ」と慨嘆していた。筆者は大使の意見を聞いていたとき、その違和感に気がつかなかったが、言われてみればその通りだと思う。

 この審議会は2年間に渡って開催される。日々、動き回り、知識を蓄えていく野口が、千客万来の観光都市東京の実現のために今後、どのような提言をし、それがどのように活かされるか。2年後のプランの実施が待ち遠しい。
2003年11月26日
文責:小林元喜